研究課題
当初、2大学での業務基盤型評価を含む臨床実習評価の信頼性検討を予定していた。しかし1大学では臨床実習評価に関する研究許可が下りず、許可が下りた佐賀大学では、そのようなデータが得られる領域が学内にほとんどないことが判明した。よって、臨床実習評価の信頼性検証のみを行った。この検証も国内ではなされたことがなく、卒業時合否判定の正確さを論じるために非常に重要である。佐賀大学では2016年度に改定された医学教育モデル・コア・カリキュラムに基づき、臨床実習の評価項目をプロフェッショナリズム、医学的知識、安全で最適な医療の実践、コミュニケーションと協働、国際的な視野に基づく地域医療への貢献、科学的な探求心の6つのコンピテンス領域と23のコンピテンシーとした。この項目は実習を行う27領域において共通している。うち、18領域では選択実習のため学生のデータが揃わない、評価データに欠損が多いといった問題がみられた。ある卒業学年の108人のデータから分散がゼロの領域がある学生のデータ、コンピテンシーを解析から外し、残りの44人分、22のコンピテンシー、9領域のデータのみを残し、欠損値は多重代入法によりG-String IVを用いて一般化可能性分析を行った。Φ係数は0.50、コンピテンシーを23、臨床領域を27として決定分析を行うとΦ係数予測値が0.72となった。臨床実習評価は、想定通りに行われていれば一定の信頼性を有することが推測される。ただ、解析に際し、様々なデータクリーニングが必要であったため、全員、全領域、全コンピテンシーの評価が得られていた場合に推測された値との乖離がどの程度になるのかは議論できない。分散がゼロになる領域があるのは、全員に同じ評価をするなど、現状の評価手法が適切でないか、適切に用いられていない可能性があり、評価手法の見直し、評価の意義に関する周知が求められる。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)
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