研究課題/領域番号 |
19K10530
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
塚田 敬義 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30257894)
|
研究分担者 |
村上 啓雄 岐阜大学, 医学部附属病院, 特任教授 (50273149)
鈴木 昭夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80775148)
谷口 泰弘 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90359737)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 適応外使用 / 抗がん薬 / 審査 / 特定機能病院 / がん診療連携拠点病院 |
研究実績の概要 |
【目的】2016年より特定機能病院では医薬品の適応外使用について、使用状況の把握の仕組みの構築が要件となった。本研究は、抗がん薬の適応外使用の審査体制について、全国の実情を把握・分析し、審査手順を明らかにすることを目的とした。 【方法】86特定機能病院、がん診療連携拠点病院(都道府県・高度型)56施設に対して無記名質問紙にて調査した。 【結果】特定機能病院のうち58施設から回答を得た。69%では全ての抗がん薬の審査を実施、残り31%が必要と判断された抗ガン薬のみ審査を実施していた。審査方法は、患者毎に審査は31.0%、疾患毎に審査は25.9%、両方を組合せた審査は43.1%。そして薬剤の選択理由・ガイドライン又は論文の有無は全ての施設、有害事象とモニタリング方法96.6%、代替薬の有無や優位性93.1%、説明・同意書の内容93.1%、費用79.3%、薬剤師の提案70.7%、患者の予後67.2%、忍容性63.1%、急変時の対応55.2%、倫理・社会的背景53.4%、治療成績43.1%、支援者の有無15.5%、申請の不承認は2.4%であった。がん診療連携拠点病院は少数回答の為研究対象から外した。【考察】(1)69%の施設で全ての抗がん薬を審査されているが、残りの施設では制限された審査であり不十分ではないかとの危惧がある。(2)不承認の判断が一定の割合で存在したことは適正な審査をしていることを示している。(3)倫理・社会的背景、費用、患者の予後、家族等の支援者の有無等を検討し不承認とした少数の施設がある。社会的背景を含む判断が行うには医師・薬剤師のみの委員会ではなく臨床倫理委員会のように多職種からなる合議体が望ましい。(4)これまで医師の裁量による適応外使用から病院での管理に移行されたが、全国統一的な質が保証された適応外使用の管理方法はなく、質が担保された管理方法の構築が求められる。
|