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2019 年度 実施状況報告書

医療ビッグデータの活用による高齢者医療の疾病構造と質評価に関する臨床疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K10533
研究機関岡山大学

研究代表者

小山 敏広  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60595106)

研究分担者 萩谷 英大  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30718531)
座間味 義人  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (70550250)
樋之津 史郎  札幌医科大学, 医学部, 教授 (80323567)
狩野 光伸  岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (80447383)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード医療ビッグデータ / 臨床疫学 / 高齢者医療
研究実績の概要

本研究は全国民を対象とする医療ビッグデータの活用と臨床疫学的な手法の統合により,高齢者医療の実態を長期的な視点で分析することを目的としている。これまで高齢者を対象に全国民の医療ビッグデータを活用した研究として、対象となりうる疾患を明らかにしてきた。高齢者で重篤になりえる感染症として、医療関連感染症であるclostridium dificcile 感染症、市中感染による呼吸器感染症のinfluenza感染症、再興感染症のheaptitis C感染症を特定した。さらに、高齢者特有の神経疾患として認知症、医療に関連する要因として副作用についても研究の実施が可能であることを明らかにした。
本研究は申請者がこれまでに蓄積してきた医療ビッグデータ解析技術および臨床疫学的な手法と高齢医学分野のこれまでの実績を融合させ、日本人を対象とした認知症に関連する死亡率および認知症患者が終末期医療を受療する環境に関する研究を国際学術誌に掲載した。
また、高齢者が受療中に経験した副作用に関連する死亡率についても長期的なデータをもとに死亡率が増加していることを明らかにし、現在、国際学術誌に投稿中である。副作用に関連した研究として、すでに日本を含めた欧米各国についても同様のデータを収集している。次年度以降には、分析に着手することができるよう準備が進んでいる。
再興感染症としてのhepatitis Cについても、日本人を対象にした研究について過去20年間の死亡者数等のデータを分析することにより、大幅に減少傾向にあることを明らかにし、現在国際学術誌に投稿中である。
このように本年度の研究実績は、当初予定した研究計画に沿って滞りなく進行しており、先行して次年度の研究の準備も進めた。次年度以降も日本国内の高齢者医療と諸外国の高齢者医療の分析をもとに国際社会にも貢献するための研究成果を発信していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、現時点で当初の計画に沿っておおむね順調に進行している。当初計画での当該年度の実施内容は、高齢者医療において重要かつ研究実施が可能な疾患群を明らかにすることであった。当該年度においてその目標は達成された。また、選定された疾患個々に、日本人データから、データの収集と処理を開始することを目標としていた。感染症としてはhepatitis C, clostridium difficile infectionのデータの収集が完了した。また、認知症に関しては日本人データの収集・分析後、国際学術誌への掲載まで当初の予定より早く完了した。また副作用に関連する死亡率に関しても、日本人データの収集が完了し、次年度の分析の準備が完了している。その他の疾患に関しても、次年度以降に予定している時系列分析のためのデータ処理がおおむね予定通り完了した。一部先行して、国際的なデータの収集にも取り組みが及んでおり、順調に進行している。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策として、今年度順調に進んでいるhepatitis C, clostridium difficile infectionおよび副作用に関連する課題について、統計的分析をさらに進め、国際学術誌への投稿をさらに前倒しで準備する。また、副作用に関しては、日本を対象にした研究成果の国際学術誌への投稿と、国際的なデータ収集および統計的分析を予定通り進める。
現状では、計画変更や予期しない課題などは生じておらず、予定通りに研究を推進できる。また、円滑に研究を完了するために、順調に進んだ研究に関してはさらに、前倒しで研究を進行し、予期しない課題の表出などが生じても最終年度までに当初のすべての予定を完了できるよう予定通りに進める。

次年度使用額が生じた理由

今年度購入予定の大型計算機について既存の大型計算機を活用することにより、予定より低い予算で構築できたため、次年度使用額が生じた。しかし、今後さらに解析性能を向上させる必要性が考えられるため、次年度以降の持ち越しの使用額とした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Place of death trends among patients with dementia in Japan: a population-based observational study2019

    • 著者名/発表者名
      Koyama Toshihiro、Sasaki Misato、Hagiya Hideharu、Zamami Yoshito、Funahashi Tomoko、Ohshima Ayako、Tatebe Yasuhisa、Mikami Naoko、Shinomiya Kazuaki、Kitamura Yoshihisa、Sendo Toshiaki、Hinotsu Shiro、Kano Mitsunobu R.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 9 ページ: 41598~56388

    • DOI

      10.1038/s41598-019-56388-w

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fall-related mortality trends in older Japanese adults aged ?65 years: a nationwide observational study2019

    • 著者名/発表者名
      Hagiya Hideharu、Koyama Toshihiro、Zamami Yoshito、Tatebe Yasuhisa、Funahashi Tomoko、Shinomiya Kazuaki、Kitamura Yoshihisa、Hinotsu Shiro、Sendo Toshiaki、Rakugi Hiromi、Kano Mitsunobu R
    • 雑誌名

      BMJ Open

      巻: 9 ページ: e033462~e033462

    • DOI

      10.1136/bmjopen-2019-033462

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Oral anticoagulants usage in Japanese patients aged 18?74 years with non-valvular atrial fibrillation: a retrospective analysis based on insurance claims data2019

    • 著者名/発表者名
      Ohshima Ayako、Koyama Toshihiro、Ogawa Aiko、Zamami Yoshito、Tanaka Hiroyoshi Y、Kitamura Yoshihisa、Sendo Toshiaki、Hinotsu Shiro、Miller Michael W、Kano Mitsunobu R
    • 雑誌名

      Family Practice

      巻: 36 ページ: 685~692

    • DOI

      10.1093/fampra/cmz016

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本語)日本における副作用に起因した死亡率の傾向に関する全国規模の観察研究2020

    • 著者名/発表者名
      舩橋智子、小山敏広、狩野光伸
    • 学会等名
      日本薬学会

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公開日: 2021-01-27  

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