生活の質(QOL)に代表される患者報告型アウトカムは、全身性エリテマトーデス(SLE)患者における「死亡」や「不可逆的な慢性障害」などと関連するだけでなく、医療経済学的評価を行う上でも重要な指標である。しかし、紙ベースの調査は煩雑であり、特に観察研究において十分な調査が行われていない。本研究では、電子入力端末を用いた、より簡便で機密性の保持された患者報告型アウトカム入力システムを開発した。 初年度は、研究代表者が参加する全身性エリテマトーデス患者を対象とした多施設共同レジストリ研究で、紙ベースで収集している患者アンケート用紙の項目の再検討を行い項目の追加・修正を行った。 次に、新たにQOLなどの測定項目を追加したアンケート内容を、タブレットおよびスマートフォンで入力可能とするための入力フォームを作成した。 次年度は、多施設で新規登録患者、既登録患者いずれの登録も可能で、その後のデータの一括管理が可能となるようにWEBベースでの登録・管理システムを開発した。 収集されたデータはCSVファイルで一括ダウンロード可能となるシステムを開発した。 最終年度は、開発した入力システムを、少数例の患者の協力のもと試験的に運用を行い、入力上の問題点、運用上の問題点を抽出し、入力システムの改良を行った。多施設レジストリに登録されている症例をシステムへも登録し、開発したシステムを用いて、実際の対象患者での入力を開始し、運用上の患者のシステム利用および非利用の意向調査や解決策について検討を追加システムの改良を行う準備が整った。
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