研究課題/領域番号 |
19K10536
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
小倉 泉 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (50204160)
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研究分担者 |
根岸 徹 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (00259144)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乳房X線撮影 / 平均乳腺線量 / 半価層測定 / 簡易形測定器 / 精度管理 |
研究実績の概要 |
乳房X線撮影は特に被ばく線量の多い検査であり、患者への被ばく線量を評価する際には平均乳腺線量を用いるが、この算出には乳房用X線撮影装置の半価層測定が必須となる。市販の測定器には、1回のX線照射で半価層を測定できる機種があるが、その価格は600万円と非常に高額である。そこで、本研究の目的は、特に被ばく線量の多い乳房X線撮影に注目し、1回のX線照射により乳房撮影用X線装置の半価層を表示できる測定器を開発することである。また、測定器の材料費を5万円以下に抑えることで、多くの臨床施設への配置が可能となり、これを用いて適切な日常管理を行うことで、患者の被ばく線量低減に寄与することを目的としている。 2019年度は東京都西多摩地区の4施設(主幹:公立福生病院、青梅市立総合病院、公立阿伎留医療センター、東大和病院)に、すでに開発した乳房用簡易形線量計を新たに配置するとともに、基準となる電離箱線量計を持ち込んで両者の半価層データを収集した。得られた測定データをもとに、1回のX線照射により乳房撮影用X線装置の半価層を表示できる簡易形測定器について検討した。4個の検出素子にそれぞれ厚さの異なる吸収体を貼付けることで吸収差データが取得可能となった。このデータから積算線量、照射時間、半価層を算出するアルゴリズムを検討し、マイクロコントローラ(PIC16F1847)に書き込んだ。これらを180 mm×130 mm×40mmのアルミケース内に収納し、1回のX線照射で測定データを解析・計算し、液晶表示器に表示できる簡易形測定器を試作した。 その結果、積算線量・照射時間・半価層について、基準となる電離箱線量計の指示値に対して相対誤差±1%以内の精度で測定できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画では2019年度については東京都西多摩地区の4施設(主幹:公立福生病院、青梅市立総合病院、公立阿伎留医療センター、東大和病院)に、すでに開発した乳房用簡易形線量計を新たに配置し、基準となる電離箱線量計を持ち込んで両者の半価層データを収集することを目標とし、実行できた。 さらに、2020年度の計画とした簡易形半価層測定器の検討を行い、試作器を製作した。その結果、積算線量・照射時間・半価層について、基準となる電離箱線量計の指示値に対して相対誤差±1%以内の精度で測定できることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は試作した測定器をもとに、臨床施設に配置して精度管理を簡便に実施できるような改良を行う。この改良型を4台製作し、東京都西多摩地区の4施設(主幹:公立福生病院、青梅市立総合病院、公立阿伎留医療センター、東大和病院)に配置して、精度管理データを収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数の303円について、年度内の執行が困難なため。
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