研究課題
基盤研究(C)
病児対応型保育施設が都市部,また,地方間では西日本に偏在している.そこで,市町村におけるこうした保育施設の有無,病児対応型保育の利用者数を,市町村の乳幼児人口,小児科(医師数,医療機関数),市町村の財政指数などにより説明する数式モデルを作り,偏在の理由を明らかにした.解析の結果,人口当たりの一般保育所在所者数や在所者数に対する小児科医師数が多いこと,市町村の財政状況が良く一定以上の人口規模があることが病児対応型保育施設の存在に有意な関連があることを示した.
小児医療政策
乳幼児はかぜなどの急性疾患に罹患しやすく,4歳以下の乳幼児は月に2回程度医療機関を受診している.しかし,一般の保育所は、感染症予防の観点から、37.5度以上の発熱を有する子どもの登園を現実的には認めていない(厚生労働省:保育所における感染症対策ガイドライン、平成30年).このため、子どもが急性疾患にかかった場合,保護者は新たな預け先を探すことになる.病状が回復傾向にあるにもかかわらず,一般の保育所が登園を認めない段階の子どもの保育を病児保育施設が実施しているが,その所在には全国的な偏在がみられる.そこで,原因を明らかにし,継ぎ目のない子育て支援制度を確立することを目指している.