研究課題/領域番号 |
19K10560
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
武富 由美子 佐賀大学, 医学部, 助教 (20750342)
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研究分担者 |
熊谷 有記 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10382433)
坂本 麻衣子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10720196)
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 教授 (90382431)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ピアサポート / がん相談支援 |
研究実績の概要 |
本年度は、スノーボール方式で紹介された2施設(がん診療連携拠点病院)の対象者へリクルートする予定であった。しかし、新型コロナ感染症拡大による対象施設の負担を考慮し、リクルートは断念した。一方で、昨年度調査したがんサロンでは、新型コロナウイルス感染症対策としていち早く「Webがんサロン」を取り入れていたため、「Webがんサロン」に関する準備や実施方法、メリット、デメリット、改善点についてZoomを用い遠隔でインタビューした。 次に、昨年度調査したがん相談員とピアサポーターのデータについて内容分析を行い、ピアサポーターを組み入れた相談支援のネットワークは図式化、連携内容を記述した。ピアサポートを組み込んだ院内外のリソース(若年がんサロン、再発がんサロン、様々な患者会、グリーフサロン)と連携することで、治療や生活の実体験に基づく情報提供やがん患者間の体験の共有ができていた。また、院内がんサロンだけでなく、地域のサロンでも患者や家族のつらさを聴くこと、必要があれば院内外の専門職や専門機関(緩和ケアチーム、認定看護師、地域連携室、地域包括支援センター、ハローワーク)へ繋ぐことで、患者や家族の心理社会的サポートができていた。がん相談員は、県内外のがん診療連携拠点病院協議会の相談支援部会で情報交換や情報共有を行い、ピアサポーターは患者会の意見を相談支援部会や県の健康増進課に進言し、がん相談の質向上に努めていた。個々の患者や家族に寄り添い、年齢や疾病の経過を問わず、患者や家族が地域で安心して暮らせる支援の必要性が示された。今後、学会発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で、がん診療連携拠点病院の協力を得ること、ピアサポーターはがんサバイバーであるため対面によるインタビュー調査は感染のリスクがあり、調査ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ピアサポーターやがんサバイバーについては同意が得られれば、遠隔でインタビュー調査を行う。また、がん相談員については新型コロナウイルス感染症の状況をみながら、状況によってはアンケートと遠隔インタビュー調査へ計画を変更する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響で調査ができなかったため、旅費が未使用である。感染拡大状況を踏まえながら、計画を検討していく。
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