研究課題/領域番号 |
19K10564
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
中江 秀幸 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (70550169)
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研究分担者 |
三澤 寿美 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (10325946)
相馬 正之 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (40554994)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / アンケート調査 / 服薬状況 / 食事栄養状況 / 外出状況 |
研究実績の概要 |
服薬と運動が重要とされている在宅パーキンソン病患者を対象として、服薬状況、介護保険サービス利用状況および外出状況を調査した。方法は2県のパーキンソン病患者会会員への郵送法無記名式アンケート調査とした。2県は人口比1.86倍、平均気温3.2度、降雪量20.9倍、降雪日数1.69倍の差があるが、介護保険事業所数は同程度である。両支部合計240通を郵送し、入院中や記載漏れなど15通を除外した147通が有効回答であった(回収率61.3%)。 服薬状況では服薬忘れが「まれ」「なし」の合計76.9%、「ときどき」「しばし」「いつも」の合計が23.1%と少なかった。世帯形態、Yahr重症度、服薬数による服薬忘れへの影響は認めなかった。忘れやすい時間帯は昼食後(32.7%)であった。食事・栄養摂取状況では欠食「無」70.7%、栄養状態の自己評価は「良好」「概ね良好」の両者で73.5%と良好であった。タンパク質、ビタミン、食物繊維、カルシウムなどの摂取状況も良好であった。身長と体重から算出したBMIは平均21.5±3.7、正常範囲は61.9%であった。この半年間での体重減少者は39.5%、発症・診断時からの体重減少者では70.7%であった。 介護保険サービス利用率は63.9%、通所リハ47.9%、訪問リハ33.0%、通所介護28.7%の利用率であった。 外出機会「有」との回答が92.5%であった。外出目的は通院87.5%、買い物75.0%、他者との交流47.1%であり、スポーツ、旅行、社会参加は低かった。冬季でも外出機会は確保されていたが夏季に比べて外出頻度が低下していた。しかし、県での外出機会の有無や頻度で明らかな差は認めなかった。外出手段では自家用車が66%、徒歩45.6%、タクシー34.7%と上位を占め、県の比較では車いすによる外出、バスなどの公共交通機関での外出に差異が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート調査の実施と回収、そして分析は予定通り進むことができた。しかし、成果の発表の機会、そしてアンケート調査結果を踏まえてた2地域の数名に協力していただき実施する予定であった身体活動状況の実態調査については、感染症関連の影響を受けて活動自粛中のためである。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査結果の成果報告については、学会発表ではなく論文化での対応とする。その後の課題である身体活動状況の実態調査、およびその後の立位バランスおよび歩行能力への介入効果の課題については、感染症関連の終息となるまで遂行することができないと考えられ、課題内容の変更や研究遂行期間の延長などを適宜検討しながら対応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
身体活動状況の実態調査が遂行できなかったために次年度使用額に計画との差が生じた。次年度の研究活動を遂行するために必要な機器(故障)の修理および実態調査遂行するための旅費として使用する計画である。
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