研究課題/領域番号 |
19K10564
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
中江 秀幸 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (70550169)
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研究分担者 |
三澤 寿美 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (10325946) [辞退]
相馬 正之 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (40554994)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 服薬状況 / 体重減少 / 介護保険サービス |
研究実績の概要 |
今年度は2つの地域における在宅パーキンソン病患者への体力測定と介入計画の予定であり、その準備として機器購入や測定準備を行っていた。しかし、感染症の影響があり、準備のみで遂行はできなかった。また、昨年度末(2020年2月)に実施したアンケート調査結果を発表する機会も感染症の影響があり得られなかったため、アンケート調査結果を再考して論文投稿を行った(2021年1月受理、2021年6月発刊)。その内容は以下である。 在宅パーキンソン病患者の服薬および食事栄養状況,諸活動の現状と問題点を明らかにした。在宅パーキンソン病患者147名に郵送法による服薬、食事、諸活動に関するアンケート調査結果の分析を通じ、服薬忘れ率が23.1%と一般内科的治療者の服薬忘れよりも低かった。服薬忘れが生じやすい時間帯では昼食時の服薬忘れが多く,服薬忘れ有と無群を比較すると服薬忘れ有群の罹患期間が有意に長かった。パーキンソン病の「痩せ」は、疾患特異性については論議が分かれているところであるが、本調査結果では、パーキンソン病診断時からの体重減少は104名(70.7%)にみられ、平均-4.4±6.1kgの減少であった。体重減少の特徴としては、介護保険サービス利用有群が無群より,転倒有群が無群よりも有意にBMI(Body Mass Index)が低値であった。結論として、パーキンソン病罹患期間が長い患者、昼食時に服薬忘れの割合が高いことが示唆された。また、介護保険サービス利用者や転倒歴のある患者は、リハビリテーション支援だけではなく、栄養管理などの支援体制の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アンケート調査結果を踏まえて、服薬および栄養摂取に関して教育・助言、そして起居移動動作に対するリハビリテーション介入によって、歩行状況と活動量の変化を計測する年度であった。しかし、感染症の拡大によって、呼吸・嚥下機能の低下を招くパーキンソン病患者を対象としており、職場からの指示および活動自粛によって未実施となった。ワクチン接種や感染状況の改善を期待しての計測機器購入や計測の手順確認など準備のみとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度と2022年度が残された期間であり、感染状況とワクチン接種状況を踏まえて、介入地域を2地域から1地域に変更し、服薬・栄養状況の調査、リハビリテーション介入による変化について、この感染拡大後の活動性の低下も踏まえた介入効果として捉えるという計画変更を予定している。ただし、会場に来場しての聞き取りや体力測定、あるいは個人宅への訪問によっての聞き取りや体力測定ともに、感染状況とワクチン接種状況によっては、変更しても課題遂行困難の可能性が考えられる。その場合は、期間の延長、あるいは感染症の影響によって、服薬や栄養摂取状況、活動状況で減少した事象と、維持されていた事象についての調査などへ大幅な変更を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症の影響による活動自粛のため、学術大会における発表のための参加費や旅費、そして2地域での調査のための旅費の予算執行がなかったために差が生じた。
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