研究課題/領域番号 |
19K10565
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
井上 まり子 帝京大学, 大学院 公衆衛生学研究科, 准教授 (20508048)
|
研究分担者 |
鶴ヶ野 しのぶ 電気通信大学, 保健管理センター, 准教授 (10359630)
錦谷 まりこ 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 准教授 (40327333)
矢野 栄二 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50114690)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 社会疫学 / 働き方改革 / 雇用形態多様化 / 非正規雇用 / 健康格差 / Industry 4.0 / Society 5.0 / デジタルエコノミー |
研究実績の概要 |
研究の目的は、現在労働者の増加が推測されているクラウドワーカーについて、その労働実態と共に、健康の観点から①身体的健康(パソコン等従事者にみられる視覚症状や腰痛等)、②精神的健康、③予防医療・治療へのアクセス、④社会保障加入状況を明らかにすることである。 本研究は2つの研究から構成されている。1)質的調査 準備と実施:クラウドワーカーと類似する労働者(自営業者・テレワーク従事者)と、2)量的調査:国民生活基礎調査の目的外利用申請により、自営業者の働き方と健康の変遷を分析するという2つである。クラウドワーカーは自営業にその形態が近く、特にフリーランスであると統計上自営業に含まれる可能性が高いため自営業と雇用者の両方の統計を用いる。 今年度の研究は、質的調査に関連した実際の調査研究についての倫理委員会への申請準備、量的調査のための厚生労働省への統計の目的外利用申請準備を行った。また、クラウドワーカーとその労働者の健康に関する論文の文献レビューや、各国の情報整理を行った。 特に2020年年明け以降の新型コロナウイルス感染症の拡大とそのための自粛生活、在宅勤務などの社会状況の変化を受け、クラウドワーカーを含めて遠隔での仕事については社会の状況も激変している。実社会での労働者の状況について、公的統計月別報告などを通じて動向を把握し、本研究を社会の変化にあわせて活かすことができる研究にすべく情報収集に努めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年は研究初年度であり、研究計画の確定とそれをもとにした研究倫理委員会への申請が必要であるが、質問票作成などの準備や調査対象者選定などに時間を要した。また、量的な研究については厚生労働省への統計情報の目的外利用申請が必要であった。全てについて両立させて進めることが初年度だけでは難しく、当初の計画より進行がやや遅れている状態にある。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も基本的には当初研究計画の1-2年目の研究計画に従って進めていく。研究支援員の追加雇用などを通じて、特にデータ分析がある研究については効率的に作業を進められるようにする予定である。 2020年年明け以降の新型コロナウイルス感染症の拡大と自粛生活や在宅勤務等を経て、クラウドワークや遠隔での仕事についても社会状況が変化している。こうした社会状況の変化も含め、新しい働き方の長所短所を健康や産業衛生側面から調査していき、実社会の状況に即した研究として仕上げるように努めたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究初年度であり、まだデータ分析が発生せず、当初予定していた研究支援員への謝金発生がなかったことが主たる理由である。次年度以降は効率的なデータ分析のため、初年度の分を研究支援員雇用に使用する予定である。
|