研究課題/領域番号 |
19K10566
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
中村 陽一 東邦大学, 医学部, 教授 (10349904)
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研究分担者 |
廣井 直樹 東邦大学, 医学部, 教授 (30366497)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Virtual Reality / 死の臨床 / スピリチュアルペイン / 看取り |
研究実績の概要 |
Virtual Realityを用いた卒前医学教育コンテンツの開発・評価を行った。医学生が実際に体験困難である場面として、看取りにおける医療者の態度教育に有用であることが示唆された。医療の現場では患者・家族から不平や苦情が医療者に向けられる場面も多く存在する。場合によっては、医療過誤、訴訟と問題が大きく発展していく場面もありうる。そのような場面も、医学生が見学実習をすることは難しく、また、医師免許を有する初期臨床研修医であっても、当事者以外が出席することは難しいのが現状と考えた。 新たなコンテンツの開発を検討してたが、新型コロナ感染症パンデミックの影響により医学生を対象とした研究の遂行が困難になり研究に遅滞が生じている。Virtual Realityは、本研究の立案時に比べると一般的な家電量販店でも購入が可能となっており、かなり広まった一般的な技術となった。さらに、医学教育分野や臨床現場においてもVirtual Reality技術を用いたものが多く行われるようになった。これらの実務も教育研究が実証されているものは少なく、その有効性が明確に示されているとは言い難いのが現状と考える。 開発したVirtual Realityによる見取りのコンテンツのうち、死の臨床に関わる研究として多職種に広げることが可能か、パイロット的に看護学部学生、薬学部学生に看取りの体験を行なった。有用性があるような印象であった。 Virtual Reality技術を用いた医学・看護・薬学教育が有用である領域は多いと思われる。学生が体験することが困難な内容を用いた研究を行うために。コンテンツ開発にあたり、研究計画を再考する必要がある。文献検索を行い関連するテーマの再検討を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症パンデミックの影響により医学生を対象とした研究の遂行が困難になり研究に遅滞が生じている。Virtual Realityは、本研究の立案時に比べると一般的な家電量販店でも購入が可能となっており、かなり広まった一般的な技術となった。さらに、医学教育分野や臨床現場においてもVirtual Reality技術を用いたものが多く行われるようになった。これらの実務も教育研究が実証されているものは少ないが、実際の教育現場、医療現場でも広く実践される技術になってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
全人的苦痛をやわらげることが、緩和ケアにおける重要な領域である。これらのうち、スピリチュアルペインに対するケアの方法としては、支持的・援助的な関わりを行うことが大切であり、「傾聴」がキーワードとなる。スピリチュアルケアを訴える模擬患者に対して医療者が傾聴を行うVirtual Realityのコンテンツを作成する。今後、このコンテンツが医学生を含めた医療系学生の教育ツール、さらには緩和ケア領域の医療者の教育ツールとして有用かを検証したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により研究が遅延しているため。スピリチュアルペインに対するVirtual Realityコンテンツ開発、資料収集等に使用する予定である。
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