研究課題/領域番号 |
19K10573
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
早川 佳代子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (70646778)
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研究分担者 |
福田 治久 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30572119)
齋藤 翔 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国際感染症センター 医師 (40809274)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 薬剤耐性 / 抗菌薬適正使用 / 選択圧 / サーベイランス / マイクロビオーム |
研究実績の概要 |
近年、医療機関での抗菌薬適正使用の推進がなされているが、現状の適正使用の評価指標では、各カルバペネム代替薬の適正使用の観点からの優劣を明らかにできない。本研究では、国立国際医療研究センターにおけるカルバペネム代替薬使用患者における前向きマイクロビオーム解析を行い、個体レベルでの各抗菌薬の選択圧評価を行う(①)。更に、当センターで開発中の医療機関向け総合的AMR対策プラットフォーム(JSIPHE)を用い、感染対策状況など耐性菌の施設内水平伝播に及ぼす影響を補正した上で各カルバペネム代替薬使用量と耐性菌検出率等に与える影響を評価し、施設レベルでの選択圧評価を多施設にて行う(②)。2つのレベルでの評価を通し、適正使用の観点からの各カルバペネム代替薬の優劣を評価可能な指標を明らかにする。抗菌薬適正使用評価に関し、「量」のみでなく「質的」な評価も加え、新たな評価パラメーターの供与を行うことで、世界のAMR対策に貢献することを目指す。 3年度目にあたる2021年度には、2020年度に引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が続き、COVID-19以外の入院患者数の減少につながったため①に関する患者組み入れが当初の予定より遅延した。しかし、2020年度後半からは組み入れを開始し、2022年3月末までに43例登録している。②に関してはJ-SIPHEは予定通り構築が完了し稼働を開始し、参加施設数は1158施設と(2022年5月)と順調に増加している。 解析にあたっては、病床数ならびにデータの連続性の観点より対象施設を抽出し、施設レベルでの選択圧評価に関して解析を完了した。現在、論文執筆中である。 2022年度には①に関し症例の組み入れの完了を行い解析・論文化を行う。②に関しては論文での公表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、マイクロビオーム評価の患者リクルートが遅れているが、症例登録状況は改善傾向にあり、おおむね順調に進展している
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響で、マイクロビオーム評価の患者リクルートが遅れているが、その部分以外はおおむね順調に進展している
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、当センターは多くの(2022年5月12日現在累計1607人)新型コロナウイルス感染症入院患者の対応に従事し、研究の対象となる入院患者も減少した。また、予定していた学会参加のための旅費も不要になった。これに伴い、研究費を次年度へと繰り越しした。
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