2-エチル-1-ヘキサノール(2EH)は、シックビル症候群を引き起こす揮発性有機化合物として注目されている。2EH は、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)の加水分解により発生し、竣工後10 年以上経過した建物において高濃度検出される事例が報告されている。本研究は2EHのマウスへの吸入曝露は、毒性影響とされる基準を満たさないことが示唆され、ペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体(PPAR)α関連シグナルには限定的な影響しか及ぼさないことを見出した。2EH の室内濃度指針値の設定には、肝毒性のみならず、他の毒性学的エンドポイントに基づいて設定する必要性を示した。
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