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2022 年度 実績報告書

小胞体ストレスシグナリングカスケードに着目した重金属毒性抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 19K10582
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

松岡 雅人  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50209516)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード小体体ストレス / シグナル伝達 / サルブリナル / 重金属 / カドミウム / 鉛 / 銀ナノ粒子 / モデル生物
研究実績の概要

本研究は、重金属ばく露細胞における小胞体ストレス軽減物質サルブリナルによる細胞死・生存への影響について、主要な小胞体ストレスシグナリングPERK経路に着目し、翻訳開始因子eIF2α、アポトーシス誘導分子CHOPおよびオートファジーが制御する細胞死・生存を解析することにより、その分子基盤を明らかにすることを目的とする。これまでに、環境汚染重金属であるカドミウムや銀ナノ粒子ばく露に対するサルブリナルの肺胞上皮腺癌細胞(2019年)、神経芽細胞腫(2020、2021年)などへの影響を検討し、細胞種によりサルブリナルの細胞死・生存影響が異なることを認めた。2022年は、A549ヒト肺胞上皮腺癌細胞にカドミウムを長期ばく露し、細胞移動能亢進および抗癌剤耐性獲得を伴う悪性転化の途中および成立後に処理するサルブリナルの影響について以下の知見を得た。(1)悪性転化細胞では、上皮系因子(E-cadherin)減少、間葉系因子(E-cadherin、PAI-1)増加を認めた。(2)サルブリナルの悪性転化途中処理はPAI-1増加を抑制し、細胞増殖・移動能を低下させた。一方、抗癌剤耐性は増加した。(3)サルブリナルの悪性転化成立後処理は細胞増殖のみ低下させた。(4)PAI-1ノックダウン細胞では、細胞増殖・移動能は低下したが、抗癌剤耐性は増加しなかった。以上から、サルブリナルの細胞増殖・細胞移動能の低下効果については、PAI-1発現量低下を介している可能性がある。上記in vitro実験に加えて、in vivo実験では、鉛ばく露ゼブラフィッシュ受精卵において、初期発達の低下、孵化後の酸化ストレスおよび小胞体ストレス応答関連遺伝子の発現変化を認めた。重金属ばく露モデル生物として、線虫(2021年)に加えて、ゼブラフィッシュ(2022年)が環境ストレス応答を個体レベルで評価する実験系として有用である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Developmental adverse effects of trace amounts of lead: Evaluation using zebrafish model2022

    • 著者名/発表者名
      Komoike Yuta、Matsuoka Masato
    • 雑誌名

      Frontiers in Pharmacology

      巻: 13 ページ: 01-11

    • DOI

      10.3389/fphar.2022.1014912

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 微量鉛による発生影響:ゼブラフィッシュモデルを用いた評価2023

    • 著者名/発表者名
      蒋池勇太、松岡雅人
    • 学会等名
      第93回日本衛生学会学術総会
  • [学会発表] Involvement of ER stress response/autophagy in silver nanoparticles exposure-induced cell death in SH-SY5Y cells2022

    • 著者名/発表者名
      MIYAYAMA Takamitsu、MATSUOKA Masato
    • 学会等名
      The 8th International Symposium on Metallomics
    • 国際学会
  • [備考] 東京女子医科大学研究業績データベース衛生学公衆衛生学(環境・産業医学分野)

    • URL

      https://gyoseki.twmu.ac.jp/twmhp/KgApp?kozac=C11100000000&year=2022

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公開日: 2023-12-25  

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