研究課題/領域番号 |
19K10588
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
中村 哲 広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (40207874)
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研究分担者 |
翠川 裕 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (10209819)
翠川 薫 鈴鹿大学, こども教育学部, 教授 (20393366)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フィリピン / レイテ州 / 台風被災 / 環境水 |
研究実績の概要 |
本研究の主な活動である現地調査活動は本年度も昨年度同様に現地フィリッピン共和国レイテ州の新型コロナ流行の防疫活動による入国と現地活動の制限ならびにカウンターパートがフィリピン保健省(DOH Philippines)所属の国家公務員であることからCOVID-19の防疫活動が主体となり、現地での共同研究が不能となった。 この間10月20-21日に中華民国台湾の台北市で開催された第7回世界災害看護学会学術総会において現地共同研究者2名を含む6名の共著者で「フィリピン国レイテ州の台風被災地における風土病と環境水質の追跡調査(A follow-up study on endemic disease and environmental water quality in the typhoon affected area, Leyte Province, Philippines)」の演題で学会発表を行った。これらの成果に関しては上述の世界災害看護学会の英文誌「Health Emergency and Disaster Nursing」へ昨年度から引き続き論文投稿原稿として準備を進めてているところである。 また、一昨年度に現地共同研究者を通じて、DOH-WHOによるレイテ州タクロバン市域を含む近郊市域の既知住血吸虫媒介貝のGPS位置データ(このデータはDOHおよびWHOに帰する)を2万5千分の1地図上にプロットした分布図を現地共同研究者の裨益のための部局用内部資料として作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度も昨年度同様に本研究の主体である現地調査を中断せざるを得ず、計画が一年間遅延した。主な理由はフィリッピン共和国の新型コロナ流行の厳格な現地防疫活動による入国制限、および現地研究協力者らがフィリピン保健省(DOH Philippines)所属の国家公務員であることからレイテ島を含むビサヤス地区内外のCOVID-19の防疫活動が主体となり、研究協力活動が著しく制限された事が挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
レイテ島では一昨年度時点で新たな住血吸虫媒介貝の生息地(レイテ島南西部のBaibaiの丘陵部)が見つかっている。このため、次年度中に現地調査を再開する。また、昨年度5月以降にWPROで企画されたフィリピンでの「顧みられない熱帯感染症(NTD:Negrected Tropical Diseases)」に関わる各国の研究者の学術交流会が、流会となった。次年度にこの会合が期待されることから、同会合への参加を通じ、新たなデータ構築に必要な国際共同研究交流を行いたい。そして、本研究の究極的テーマであるレイテ州での水環境と住血吸虫媒介貝の監視に関わるGIS確立の基礎研究を進展させる所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
既に計画中断の理由として述べたように、COVID-19感染症のパンデミックにより、同国内全地域で流行し、調査現地への入国と移動が厳しく制限されていた。しかし、次年度の5月以降はそれらの制限が撤廃されることとなった。これにより研究事業の再開、特に現地研究協力者との現地調査による水環境及び住血吸虫媒介貝の分布とリスクに関わるデータ収集が可能となった事が次年度使用額が生じた理由である。使用計画は可能であれば年度内に1回以上の現地調査による媒介貝の新たな侵淫地の調査と分布地図作成、現地協力研究者の国内での研究発表に関わる講演会の開催、論文発表、報告書等の作成に使用する
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