研究課題/領域番号 |
19K10590
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
村上 光一 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 室長 (70446839)
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研究分担者 |
重村 洋明 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 主任技師 (50761540)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Escherichia albertii / 食中毒 / 人獣共通感染症原因菌 / 鞭毛 / 下痢原性細菌 |
研究実績の概要 |
化学性状等の確認:PFGE の型が異なる100余株について、生化学性状を確認した。本菌に共通する生化学性状のうち、大腸菌と比較し比較的本菌に特徴的なものは非運動性(37℃)、硫化水素陰性(TSI 寒天培地)、キシロースからの酸の産生陰性、β-glucuronidase 活性陰性だと思われる。本菌は、リシン脱炭酸試験(リジン脱炭試験用培地使用)及びインドール産生試験の結果から、3つの生物グループに分類されることを提唱した。リシン脱炭酸試験およびインドール産生試験結果の組み合わせは+-(生物グループ1)、-+ (生物グループ2) あるいは ++ (生物グループ3)であり、日本では生物グループ 3 が主要なグループである。従来の報告を含めても乳糖からの酸産生は多くの菌株にて陰性であるが、ごく一部に陽性の菌株が存在する(Front Microbiol 2019;10:1543)。 本菌による食中毒事例の解析:典型的潜伏期間は12-24&時間、症状は watery diarrhea (>80%), followed by abdominal pain (50%-84%) and fever (37.0-39.5℃) (26%-44%)であった(Foodborne Pathogens and Disease, https://doi.org/10.1089/fpd.2019.2654)。 本菌の鞭毛発現条件について検討した。本菌を低栄養の培地(例えば、鳩の排泄物を池の水に懸濁したもの、あるいは20倍希釈したトリプトンソイブイヨン培地等)にて、20℃程度で数時間から半日程度培養すると、鞭毛を発現し、運動性を示す菌株が存在する(45/90 菌株, 50%) (Environmental Microbiology Report doi:10.1111/1758-2229.12818)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の流行によりフィールド調査に影響が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に従い実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行によりフィールド調査が実施できなかったため。
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