研究課題/領域番号 |
19K10590
|
研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
村上 光一 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 室長 (70446839)
|
研究分担者 |
重村 洋明 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (50761540)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | Escherichia albertii |
研究実績の概要 |
人獣共通感染症原因菌 Escherichia albertii (含:志賀毒素産生株)の最適な分離・同定手法を確立するため、分離培養法の高精度化を図った。「培養後の培地中の単位当たりの DNA 量に占める対象病原細菌特異的遺伝子のコピー数」を指標として、腸管感染症起因細菌の増菌培地の能力をより客観的に評価する新手法を開発した(数値が大きいものが優秀な方法)。本法によれば、例えばある選択剤の濃度の差が分離能力に与える影響をコピー/ng (DNA) の数値の差として評価することが可能で、従来手法では評価できなかったブラックボックス部分の評価が可能となった。この手法を用いて、志賀毒素産生性 E. albertii の分離培養法の高精度化をおこなった。同一培養法を用いても、試料の種類(食品の種類)、試料に含まれる対象細菌の菌数等によっても最適条件は変化すること、あるいは添加物(抗菌薬や界面活性剤)の種類と添加量は基礎培地の種類によって最適物・量が変化することなども知見として得た。具体的には緩衝ペプトン水よりも別の培地の方が、「培養後の培地中の単位当たりの DNA 量に占める対象病原細菌特異的遺伝子のコピー数」が高く、能力が高かった。更に抗菌薬や界面活性剤の種類も検討した中で最適なものを選別した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、サンプリング等に支障があったため。
|
今後の研究の推進方策 |
従来判明していない宿主を明らかにし、本菌の伝播について新たな知見を得る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
感染症の流行により、予定通りに実験が進まなかったため。
|