研究課題
2023年度の報告事例では、2023年から2024年4月までに開催された副反応部会の資料から2023年4~12月の期間内に30例の副反応事例が報告された(2023年4-6月:12例、7-9月:4例、10-12月:14例)。このうち、上記期間に接種された症例のみを集計すると27例であった。これまでの研究の中で、接種回数あたりの発生頻度は正確な接種回数が把握されていないため明確ではない。概算値として定期接種実施者数(e-Statatデータ)を用いると2019年度から2022年度まで(年度集計の為、2023年度は計算不可)は10万実施者数たり1.296、1.376、0.908、0.915であった。過去に用いられてきたマウス脳由来日本脳炎ワクチンの副反応発生頻度が米国では2.3-21.6/10万接種、日本では2.3-3.6/10万接種 (Vaccine 2000)と報告されている。集計方法や対象症例等が異なるため単純な比較は困難であるが2009年に導入された細胞培養日本脳炎ワクチンの副反応発生頻度はマウス脳由来ワクチンより低い可能性が推測された。しかも上記数字は副反応報告基準に合致しない報告を含む全ての報告数であり、報告基準に合致した事例の報告数は10万実施者数あたり0.088、0.067、0.039、0.141であり、更に低い可能性が示唆された。2013年度以降、入手可能な副反報告を用いた2013年度から2022年度までの累積値を用いた発生頻度は、1.582/10万実施者数で、報告基準に合致した症例のみに限定した場合は0.127/10万実施者数であった。累積症例数を基にした10万実施者数の発生率においても文献上の発生率よりも有害事象の発生割合は低いことが明らかになった。
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