研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00422824)
田中 光司 三重大学, 医学系研究科, 客員教授 (10345986)
川口 晃司 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (10402611)
中杤 昌弘 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (10559983)
奥川 喜永 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (30555545)
三木 誓雄 三重大学, 医学系研究科, 客員教授 (50242962) [辞退]
山田 宏哉 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80610352)
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研究実績の概要 |
大腸がん早期診断マーカー候補のマイクロRNA(miRNA)の網羅的解析として、早期大腸がん7例と性年齢マッチ後の7例の対照の血清検体を用いたマイクロアレイ発現データに基づくSAM(significant analysis of microarray)解析(Discovery phase)施行の結果、統計学的に最も有意なmiRNAとして、miR-6765-3p, miR-5100, miR-572、miR-518e-5pが抽出され、また大腸がんについて既報で有意なものとして、miR-223-3p, miR-21-5p, miR-22-5p, miR-26a-5p, miR-15a-5pが選ばれた。次に、独立した早期大腸がん8例と性年齢をマッチさせた8例の対照、早期+進行大腸がん12例と性年齢をマッチさせた12例の対照を用いた再現性検証(Replication phase)の結果、早期大腸がん(8例+8例)において、miR-26a-5pとmiR-223-3pが診断精度100%(感度100%、特異度100%、AUC=1.00)と高い診断能を示し、早期+進行大腸がん(12例+12例)でもAUC>0.6であった。最終的に、日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)の参加2年以内に進行期大腸がんを発症した5例と性年齢をマッチさせた5例の対照の凍結保存血清を用いて臨床診断前の大腸がんの「超」早期診断能を検証した(Test phase)結果、miR-26a-5pがAUC=0.84(P=0.014)と高い診断能を示し、新たな大腸がんの早期診断マーカーとなる可能性が示唆された。miR-26a-5pは、大腸がんにおけるスーパーエンハンサー関連miRNAであることが知られており、今後の更なる研究が期待される。
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