研究課題
本研究はアジア・太平洋地域(フィリピン、台湾、インドネシア、フィジーなど)においてHTLV-1調査を行い、HTLV-1キャリアの分布状況を明らかにするとともに、HTLV-1/ATLバイオバンクを沖縄だけでなくアジア・太平洋に拡充するものである。そしてHTLV-1遺伝子型を解析し、既に明らかにした沖縄HTLV-1遺伝子型分布パターンとアジア・太平洋各国の分布パターンとを比較することにより、HTLV-1伝播経路解明の端緒を開くことを目的としている石垣島HTLV-1キャリアコホートにおいて、月1回のペースでキャリアのフォローと末梢血リンパ球検体採取を行い、研究の基盤となる沖縄HTLV-1/ATLバイオバンク検体数は現在500を超えて拡大させた。抗HTLV-1抗体検査のためのPA法、およびウェスタンブロット法、およびHTLV-1遺伝子型解析のためのPCR-RFLP法、およびシークエンシング法について、従来の方法の見直しとブラッシュアップを行い精度を高めた。アジア・太平洋地域の中で、まず以前にHTLV-1キャリアの存在が報告されているインドネシアにおいて、キャリアのスクリーニング調査と遺伝子型の解析を行う目的で、既に部局間交流協定を締結しているインドネシア・アイルランガ大学医学部および熱帯医学研究所と共同研究をおこなうため、2020年2月12-13日現地を訪問し、同大学の研究者との間で研究実施の合意を得るとともに、実施のための打合せを行った。
3: やや遅れている
HTLV-1キャリア調査、遺伝子型解析のためのアッセイ系は完成している。インドネシア・スラバヤ地域で調査をするための現地研究機関(アイルランガ大学)との間で共同研究の合意を得た。研究計画書も完成しており、倫理審査委員会申請準備も完了しているが、コロナウイルスのパンデミックにより、日本、インドネシアとも研究の進捗が滞っている。
インドネシア・スラバヤ地域でHTLV-1キャリア調査を行うための研究計画書は、英語、日本語とも完成しており、アイルランガ大学および琉球大学で倫理審査委員会承認を得る。コロナウイルス感染症が収束し、海外渡航が可能となってから、速やかに現地での調査を実施する。
インドネシア・スラバヤ地域におけるHTLV-1キャリア調査が、コロナウイルス感染症の影響もあり今年度施行できなかった。令和2年度実施の予定で、その際の渡航費用、宿泊費、人件費、検体運搬費、および検査のための試薬代として令和元年度及び令和2年度助成金を合わせて使用する。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 産業財産権 (1件)
Blood Adv
巻: 4 ページ: 1062-1071
10.1182/bloodadvances.2019001429.
Pathogenesis
巻: 9 ページ: E82
10.3390/pathogens9020082.
Virol J
巻: 16 ページ: 160
10.1186/s12985-019-1270-1.
Cancer Sci
巻: 110 ページ: 2982-2991
10.1111/cas.14114. Epub 2019 Jul 23.
Br J Haematol
巻: 186 ページ: 440-447
10.1111/bjh.15950. Epub 2019 May 16.