研究課題/領域番号 |
19K10602
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
福島 卓也 琉球大学, 医学部, 教授 (40336160)
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研究分担者 |
宮良 恵美 沖縄大学, 健康栄養学部, 准教授 (50457686)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | HTLV-1 / アジア・太平洋地域 / キャリア調査 / genotype |
研究実績の概要 |
ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)は成人T細胞白血病・リンパ腫 (ATL)の原因ウイルスであり、九州・沖縄を中心とする西南日本、中央アフリカ、中南米が高分布域である。研究責任者のグループは沖縄県においてHTLV-1キャリアスクリーニング調査を行い、陽性割合が約5%であること、HTLV-1 genotypeが本土では日本タイプが90%であるのに対し、沖縄では60%で、残り40%が南米タイプと分布パターンが異なることを見出した。現在アジアの分布の詳細は解明されておらず、1980年代の調査で高分布域の一つとされるメラネシアにおける現状は調査されていない。そこでフィリピン先住民族アエタ族居住地でスクリーニング調査を行い、対象者200名中キャリアを4名見出した。またラオスで調査を行ったが、キャリアは見つからなかった。本研究を、さらにアジア・太平洋地域(タイ、インドネシア、フィジー)に拡大すべく、各国でHTLV-1キャリア調査を行い、HTLV-1分布状況を明らかにする。そして試料をバンキングし、沖縄・アジア・太平洋ATL/HTLV-1バイオバンクを構築する。さらに、バイオバンク検体を用いてHTLV-1のgenotype解析を行い、それぞれの国と日本本土、沖縄および他の地域のHTLV-1 genotypeの分布パターンを比較し、HTLV-1伝播経路解明の端緒を開くことを目指す。現在インドネシア アイルランガ大学と共同研究の合意に達し、準備を進めているが、新型コロナ感染拡大の影響で調査実施のタイミングを図っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
インドネシア・アイルランガ大学と部局間交流協定を締結し、現地でのキャリア調査について合意が得られている。しかし新型コロナ感染のため、入国が出来ず2020年度予定していた調査を実行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染が終息しインドネシアへの入国が可能になったら速やかに現地での調査を実施する。感染終息が長引き入国できなかった場合の対策として、琉球大学保健学研究科博士後期課程修了者がアイルランガ大学に在籍しており、現地の研究者だけでの検体採取を依頼し、日本に輸送する手段を検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染流行のためインドネシアへの入国が出来ず、渡航費用、現地滞在費、調査の物品の購入費を使用しなかったため。今年度上記の目的に使用予定である。
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