研究課題/領域番号 |
19K10605
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
内山 浩志 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00711318)
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研究分担者 |
小橋 元 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60270782)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小児炎症性腸疾患 / 遺伝-環境交互作用 / 一塩基多型 / 医療被ばく |
研究実績の概要 |
本年度は産学官連携支援などの研究支援を主な業務とする研究戦略部門の部門長に就任したことによる業務過多により研究が進まなかった。 研究内容としては昨年度に引き続き、本年度も①小児潰瘍性大腸炎で同居していない祖父母の喫煙との関連が疑われる結果についての解析、②ビタミンD受容体(VDR)の一塩基多型(SNPs)のタイピングとデータ解析、③TP53遺伝子のタイピングの3点について検討を行っている。 ①小児潰瘍性大腸炎で同居していない祖父母の喫煙との関連が疑われる結果についての解析については、性別が無回答の小児潰瘍性大腸炎の症例の方がいるため、X染色体の遺伝子とY染色体の遺伝子の両方でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を起こすプライマーにより、性別の判定を進めているところである。 ②VDRのSNPsのタイピングとデータ解析については、VDRの3つのSNPsについてデータ解析を行ったが、小児クローン病、小児潰瘍性大腸炎のどちらにおいても統計的有意な関連は見られなかった。また、胸部レントゲン撮影との関連についても調べてみたが、今のところ有意な関連はみられてはいない。現在残りのSNPsについてのタイピングが進行中である。また、DNAの抽出がうまく出来ていない10名の唾液サンプルについて、その原因の追求と対策の検討は現在も進行中である。 ③TP53遺伝子のタイピングについては現在進行中であり、TP53と対をなすと言われているMDM2遺伝子のタイピングについては現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度も新型コロナウイルスの影響によりオンデマンド講義や実習対応における感染症対策の教員業務量増加と、昨年4月から、これまでの産学官連携コーディネーターとしての産学官連携支援業務への対応に加え、研究戦略部門の部門長として学内連携や科研費取得支援などの実務管理業務が発生し、これまで二年分の遅れを取り戻すどころかさらに遅れが生じてしまうこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
現在進めている3つの課題、①小児潰瘍性大腸炎で同居していない祖父母の喫煙との関連が疑われる結果についての解析、②ビタミンD受容体(VDR)の一塩基多型(SNPs)のタイピングとデータ解析、③TP53遺伝子のタイピング、について、研究戦略部門長の業務に支障を出しても推進する。大学の支援により研究戦略部門の実務担当者を増員して頂けたため、可及的速やかに引継ぎを行って本研究を遂行するための時間を確保する。 また、ポリメラーゼ連鎖反応は医学部生の必修科目であることから、当初予定していた人件費を謝金支出に充て、本研究の推進を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度も新型コロナウイルスの影響によりオンデマンド講義や実習対応における感染症対策の教員業務量増加と、昨年4月から、これまでの産学官連携コーディネーターとしての産学官連携支援業務への対応に加え、研究戦略部門の部門長として学内連携や科研費取得支援などの実務管理業務が発生し、これまで二年分の遅れを取り戻すどころかさらに遅れが生じてしまうこととなった。 本年度の3つの課題、①小児潰瘍性大腸炎で同居していない祖父母の喫煙との関連が疑われる結果についての解析、②ビタミンD受容体(VDR)の一塩基多型(SNPs)のタイピングとデータ解析、③TP53遺伝子のタイピングについて、次年度は研究戦略部門長の業務に支障を出しても推進するとともに、DNAシーケンサの利用や人件費を医学部生への謝金支出に充てるなど、本研究をさらに推進するために使用する。
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