研究課題/領域番号 |
19K10613
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 九州大学 (2021-2023) 地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院(臨床研究部) (2019-2020) |
研究代表者 |
|
研究分担者 |
酒井 康成 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10380396)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 急性脳炎 / 小児 / 自己免疫性脳炎 / 中枢脱髄性疾患 / 脂質代謝 |
研究成果の概要 |
我々は原因不明な小児脳炎を系統的に分類するために、細胞ベースアッセイ法とFilmArray髄膜炎・脳炎パネルを組み合わせた実験系を確立した。研究期間中に、福岡県内の医療機関との共同研究により原因の特定されない小児脳炎患者の髄液から、原因ウイルス5例、NMDA受容体抗体6例を同定した。成人患者に見られるLGI1抗体、CASPR2抗体、GABAB受容体抗体等を検出できなかった。また、血液検体からは、MOG抗体15例を検知し、MOG抗体陽性の中枢脱髄性疾患を確定診断した。MOG抗体陽性の患者髄液から網羅的脂質代謝を行い、コントロール群と異なる代謝プロファイルを示すことを明らかにした。
|
自由記述の分野 |
小児神経学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児期発症の脳炎は原因不明なことが多く、本研究では福岡県における感染性脳炎、特異的自己抗体による自己免疫性脳炎や中枢脱髄性疾患の疫学特徴を検討した。小児脳炎における自己抗体の検出傾向は成人と異なることを判明した。また、小児脳炎において最も頻度の多いMOG抗体関連疾患につき、非脱髄性疾患と比較し、特異的な脂質代謝を示すことを明らかにした。代謝経路が判明できれば、今後、MOG抗体関連疾患の病態解明や将来的に病態に選択性の高い創薬へとつながる可能性がある。
|