研究課題/領域番号 |
19K10615
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥原 剛 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70770030)
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研究分担者 |
木内 貴弘 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10260481)
高山 智子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (20362957)
石川 ひろの 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40384846)
上野 治香 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40740668)
加藤 美生 帝京大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70769984)
小池 宏子 (岡田宏子) 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30849352)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヘルスコミュニケーション |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、健康医療情報の見やすさや読みやすさが、情報の受け手の行動変容に与える影響を検討することである。この目的のために、2019年度は以下の研究を実施した。 1)見やすさや読みやすさなど、提示された情報に対し受け手が抱く処理の容易さを、Processing Fluency(処理流暢性)という。提示された情報の見やすさや読みやすさの処理流暢性の程度は、その情報に書かれている内容に関して受け手が下す意思決定に影響を与える。Processing Fluency(処理流暢性)の中でもLinguistic Fluency(読みやすさ)にフォーカスし、エクササイズの説明文書を題材に、健康医療情報の読みやすさが行動変容に与える影響を検討するため、ランダム化比較研究を実施し、健康医療情報の読みやすさが受け手の行動に対するセルフエフィカシーに影響を与えることを示した。当該論文は健康心理学の専門誌Health Psychology Open誌に掲載された。 2)ワクチン接種に関する健康医療情報を題材に、情報のリーダビリティ(読みやすさ)に関する先行研究をレビューをし、英文論文を投稿した。 3)我が国においては、患者・市民向けの健康医療情報の見やすさ分かりやすさを評価するための尺度が存在しない。そこで、患者・市民向けの健康医療情報の見やすさ分かりやすさを評価する英語圏の尺度の日本版の開発に向け、尺度の翻訳、表面妥当性、内容妥当性、信頼性の検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である2019年度には、研究課題である健康医療情報の読みやすさが行動変容に与える影響に関し、文献レビューと論文投稿、ランダム化比較研究の実施と論文投稿を行った。加えて、患者・市民向けの健康医療情報の見やすさ分かりやすさを評価する英語圏の尺度の日本版の開発に向け、尺度の翻訳、表面妥当性、内容妥当性、信頼性の検証を進めた。以上から、計画通りに順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
患者・市民向けの健康医療情報の見やすさ分かりやすさを評価する英語圏の尺度の日本版の開発に向け、引き続き信頼性と妥当性の検証を進める。加えて、引き続き、健康医療情報のコンテンツが行動変容に与える影響を検証するため、あらたなランダム化比較研究を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は初年度に予定して費用を計上していた調査を、次年度に実施することにしたため。
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