研究課題/領域番号 |
19K10618
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
松井 克之 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60595924)
|
研究分担者 |
菊池 透 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10240772)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 小児糖尿病 / 糖尿病療養行動 / 生活の質 / 認知機能 / 精神心理 |
研究実績の概要 |
本研究は小児1型糖尿病の治療内容と治療成績、病態の多施設共同研究を行っているコホート研究の組織である小児インスリン治療研究会で行う補完研究である。血糖測定やインスリン自己注射に関連した療養環境やQOLの評価に加え、認知機能(発達障害・知的レベル)・精神心理(摂食障害や精神疾患)の調査を行なっている。2020年1月に小児インスリン治療研究会の主幹施設(埼玉医科大学病院)での倫理委員会にて承認された。 倫理委員会承認施設にて2020年10月から翌年2月にかけて、初回の自己管理能力・生活環境・生活の質に関する自記式調査をWebアンケートを主体(利用できな い施設はアンケート用紙)として行った。2021年10月から翌年2月にかけて継続調査と追加初回調査を行った。現在、アンケート結果として回収(Webデータ入力)できているのは初回調査185名分、継続調査31名分である。アンケート用紙で回答いただいた分については回収と入力を継続している。
また、本研究の初回調査時のデータ(13施設135名)を用いて1型糖尿病患児自身が実感する生活の質と家族から見たときの生活の質について解析を行った。患者本人と家族の両方の回答があった118名で解析した結果、1型糖尿病によって患者自身からみた場合は「食事」と「園や学校での生活」における生活の質が悪化すること、家族からみた場合は「園や学校での生活」における生活の質が悪化することが判明した。これらの結果を第65回日本糖尿病学会学術総会にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行の影響もあり、臨床研究面の制限や人員的な問題で参加施設が当初予定よりも少なくなり、研究対象者が少なくなっている。その他、同様の理由から調査自体の時期も遅らせる必要があったため全体の進行も遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
自己管理能力・生活環境・生活の質に関する自記式調査の初回調査追加分の解析を進めていく。さらに2021年10月から翌年2月に行った継続調査および追加分の初回調査のデータ入力と確認、解析を行なう。さらに2022年10月から翌年2月にも二度めの継続調査を行う。このときも新規登録者の初回調査も再度行ない、解析対象を増やす。これらはWebアンケートを主体として行うが、施設によりこれが利用できない場合には従来どおりアンケート用紙にて行う。認知機能(発達障害・知的レベル)・精神心理(摂食障害や精神疾患)に関する調査は 今後、2023年3月までの間に一度実施する。発達障害に関しては自記式調査紙「発達障害スクリーニングのための質問紙(文科省作成児童生徒の困難の状況 質問紙)」を保護者に、自記式調査紙「EAT-26」「EDI」を研究参加者もしくは保護者に記載いただく。知的レベルは検査施行の有無や結果を、精神疾患に関して は合併の有無や内容を研究責任者もしくは分担者に記載いただく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行の拡大と継続のため調査自体の進行が遅れているため
|