研究課題/領域番号 |
19K10622
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
土井原 博義 岡山大学, 大学病院, 教授 (20263569)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乳癌 / 身体活動 / 運動プログラム / METs / QOL |
研究実績の概要 |
背景:乳がん診断後の身体活動が高い女性では全死亡リスクが減少することは確実とされ、診断後の身体活動(physical activity: PA)を高く維持することが推奨されている。 方法:多施設共同ランダム化比較試験。乳がんに対する初期治療(手術・化学療法)終了後のStage0-Ⅲ症例を対象とし、コントロール群(C)、教育群(ED:最低1回の、医療者による運動の重要性に関する対面レクチャーと実践を伴う運動指導)、運動群(EX:3回/週のスポーツジムへの4カ月間の通所)に1:1:1でランダム割り付け。主要評価項目は12か月時点の余暇のPA(recreational PA: RPA)とし各群で5 metabolic equivalents/week (METs/w)以上の症例割合を算出しFisher testで比較。副次評価項目は健康関連QoL、BMI、骨塩等。 結果:356例が登録され、撤回・転居・早期再発例を除く342例(C、114;ED、120;EX、108)を解析対象とした。対象の平均年齢は55歳、Stage0・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの割合は11%・46%・32%・11%だった。12カ月時点のRPAが5METs/w以上の症例割合はC群で53%、ED群で62%、EX群で54%であり、群間差を認めなかったがEDで高い傾向があった(C vs. ED p=0.126;C vs. EX p=0.491)。C、ED、EXの12カ月時点の全身体活動量{total PA(METs/d)}平均値は、39.8、40.9、39.0と、C、EXにくらべEDで高い傾向が観察された。 結論:医療者による対面の生活・運動指導により長期的な身体活動が高まる可能性があり継続的な患者教育の重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ解析が終了し、結果公表のため論文作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
解析データを学会、論文等で広く社会に還元する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染の影響により、運動介入プログラムの一時中断などの影響で、研究費に余剰を生じた。運動介入プログラムは引き続き継続中であり、本年度の研究費充てる計画である。
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