研究課題
東日本大震災後の避難住民における生活環境の変化は、ストレスの増加や身体活動量の減少などをもたらし、体重増加と共に生活習慣病のリスク要因の悪化が確認されている。しかし一方で、震災に伴い体重が減少した住民も一定数見られており、身体活動量の低下や生活環境の変化により、老年症候群(フレイル)のリスクが高まっていることが予想された。本研究では、避難区域住民における震災後の体重減少の実態や運動をはじめとする生活習慣や心理社会的要因との関連を、横断的・縦断的に調査するとともに、健診にてフレイル調査を実施し、リスクをどの程度把握できるか検討することを目的とした。初年度は、震災後に開始された福島県「県民健康調査」のデータおよび、対象市町村の震災以前の健診データを利用して、フレイルの判定項目の一つである体重減少に注目し、標準体重の者から震災後(2019年度までに)新たに低栄養傾向になった者について、その割合や要因について、縦断的に検討を行った(論文発表済)。仮説とは異なり、避難の影響よりも、震災以前の生活習慣(運動習慣や食行動)が震災後の低栄養傾向発生に影響していたことがわかり、災害弱者となりやすい高齢者ほど常日頃から運動や身体活動を適切に保つことが重要であることが示唆された。上記とは別に、初年度より自治体の総合健診の場で身体機能検査(フレイル検査)を実施し、継続して3年分のデータを収集した。今後、得られたデータと健診結果を突合した解析を行っていく
すべて 2022 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (3件)
International Journal of Environmental Research and Public Health
巻: 9 ページ: ー
10.3390/ijerph19063399
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