研究課題/領域番号 |
19K10629
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
兼板 佳孝 日本大学, 医学部, 教授 (40366571)
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研究分担者 |
大塚 雄一郎 日本大学, 医学部, 助教 (40748399)
井谷 修 日本大学, 医学部, 准教授 (70624162)
松本 悠貴 日本大学, 医学部, 助教 (60647783)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 保健教育 / 高校生 / インターネット / スマートフォン |
研究実績の概要 |
高校生のインターネットやスマートフォンの過度な使用は、学習を妨げるだけではなく、うつ、不安症、睡眠障害などの発生を促進し、心身の健康に多大な影響を及ぼす。しかし、これまでのところ、高校生のインターネットやスマートフォンの過度の使用に対してどのような対策が有効であるかは分かっていない。本研究では(1)先行研究のレビューを実施してインターネット、スマートフォンの過度の使用が健康に及ぼす影響を明らかにする。(2)インターネットやスマートフォンの適切な使用方法についての教材と保健教育プログラムを作成する。(3)作成したプログラムを用いた保健教育を介入研究として実施して、その効果を検証する。2021年度までに保健教育プログラムに使用する教材を作成し、介入群にはこれを用いた保健教育を実施した。また、介入の時期を挟む形で1学期と2学期に1回ずつ、計2回の自記式質問調査を実施した。 2022年度は調査で得られたデータの分析を行った。2回の調査で連結が可能となったのは5315人(介入群2675人、コントロール群2640人)であった。インターネット・スマートフォン依存尺度は混合効果一般化線形モデル、インターネット使用時間と行動変容ステージについては混合効果順序ロジスティック回帰分析を用いて解析した。その結果、介入として行った保健教育は、インターネット依存度、スマートフォン依存度、インターネット使用時間を改善するまでには至らなかった。しかしながら、行動変容のステージを向上させ、インターネットやスマートフォンの適正使用への関心を高めることはできた。また、生徒が保健教育に熱心に取り組んだかどうかで、その効果に違いが認められた。研究成果を協力校の教育関係者に対して報告した。また、第81回日本公衆衛生学会総会にて発表した。2023年度は研究成果を論文発表できるように取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症が全国的に流行し、2020年度に協力校で休校措置がとられ、そのために自記式質問票の実施を見合わせることとなり、全体のスケジュールが1年遅れになっている。それらの点を除いて、保健教育教材の作成、保健教育による介入、自記式質問票によるデータの収集、統計解析については、順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
高校生を対象としたインターネットやスマートフォンの適切な使用に関する保健教育は、生徒の行動変容のステージを向上させ、インターネットやスマートフォンの適正使用への関心を高めることが判明した。また、生徒が保健教育に熱心に取り組んだかどうかで、その効果に違いが認められた。今後は、これらの研究成果を論文発表できるように取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症が全国的に流行し、2020年度に協力校で休校措置がとられ、そのために自記式質問票の実施を見合わせることとなり、研究課題全体のスケジュールが1年遅れになっている。その点を除いて、保健教育教材の作成、保健教育による介入、自記式質問票によるデータの収集、統計解析については、順調に進捗してきた。当初の計画では、最終年度に学術論文での発表を行うことにしており、残された助成金は主にこれに充てる予定である。
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