研究課題/領域番号 |
19K10633
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
中村 信之 福岡大学, 医学部, 講師 (00389355)
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研究分担者 |
吉村 力 福岡大学, 医学部, 准教授 (20511885)
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
田中 正利 福岡大学, 医学部, 教授 (30171797) [辞退]
羽賀 宣博 福岡大学, 医学部, 教授 (50586617)
前田 俊樹 福岡大学, 医学部, 講師 (50555555)
佐藤 敦 福岡大学, 医学部, 講師 (60816263)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 夜間頻尿 / 睡眠時無呼吸症候群 / 前立腺肥大症 / 過活動膀胱 / 国際前立腺症状スコア / 過活動膀胱症状質問票 / Watch PAT / PAT Apnea-Hypopnea Index |
研究実績の概要 |
【背景】夜間頻尿の原因として、前立腺肥大症(BPH)、過活動膀胱(OAB)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの関与が報告されているが、夜間頻尿の原因を一般住民で検討した疫学研究は少ない。 【目的】一般住民においてBPH・OAB・SASが夜間頻尿におよぼす影響を検討した。 【方法】福岡県那珂川市で行われた健康診断を受診した一般住民(40歳以上の男女)を対象(福岡動脈硬化疫学研究)とし、2019年3月~12月にベースライン調査に参加した112名の横断解析を実施した。問診表を用いて夜間排尿回数、国際前立腺症状スコア(IPSS)、過活動膀胱症状質問票(OABSS)を調べた。またWatch PAT (Phillips社)によるPAHI(PAT Apnea-Hypopnea Index)5以上をSASとし、夜間頻尿を夜間排尿回数1回以上、BPHをIPSS8点以上、OABを尿意切迫感スコア2点以上かつOABSS3点以上と定義した。 【結果】対象者112名のうち、84名において夜間頻尿を認めた。男性のBPHにおける夜間頻尿の頻度は、BPHあり群でBPHなし群よりも有意に高かった(p<0.001)。男女のOABにおける夜間頻尿の頻度は、OABあり群はOABなし群に比べて有意に高かった(p=0.040)。男女のSASあり群における頻度はSASなし群に比べて高い傾向にあった(p=0.222)。この他、男女の高齢(65歳以上vs 65歳未満、p=0.091)、男女の高血圧(あり群 vs なし群、p=0.140)において夜間頻尿の頻度が高い傾向にあった。 【結論】日本の都市部一般住民において、従来示されているようにBPH・OABは有意に夜間頻尿の頻度に関与していた。SAS、年齢、高血圧は、関連している可能性が示唆されたが有意差は認められなかった。夜間頻尿の頻度には泌尿器科疾患の影響が強いと考えられた。
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