研究課題/領域番号 |
19K10634
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
加納 和彦 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 主任研究官 (00383654)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 感染症疫学 / 感染症サーベイランス / データ可視化 |
研究実績の概要 |
感染症発生動向調査は、法的根拠に基づき、全国一律に運用されているサーベイランス事業である。国内の感染症対策の基盤となる情報を収集しており、分析及び情報提供等は法的にも規定され、公衆衛生上極めて重要である。一方で、サーベイランスデータは、医療体制の変化や受診行動の変化等の影響を受けることが知られており、データの解釈には注意が必要である。本研究では、このような側面を持つサーベイランスから得られたデータをより効果的に提供するため、発達が著しいデータ可視化の技術を用いて、NESIDにおける感染症の発生状況の把握と監視、異常の早期探知、データの適切な解釈をサポートするための機能を実装した、感染症ダッシュボードシステムの開発と改良を試みた。本年度は、新型コロナウイルス感染症が指定感染症に定められたことに伴い、新型コロナウイルス感染症のトレンド評価のための可視化システムとして、陽性例の届出だけではなく疑似症として届出られた症例(後に陰性となるものを含む)データを用い、陽性数を陽性数と陰性数の和で除した値(陽性数と陰性数の和を検査数と考えれば、陽性率に相当)のトレンドを確認できるシステムを作成した。同時に、より重症な症例と考えられる重篤な肺炎を呈する症例に限定して、同様にトレンドを確認できるシステムとした。より重症な症例に限定することで、検査体制、行動によるバイアスが比較的入りにくいと考えられ、市中の感染状況を反映したトレンドモニタリングに活用できる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の発生に伴う業務量増加等のため
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、新型コロナウイルス感染症のデータ分析・可視化システムの開発及び改良に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の発生に伴う業務量増加、行動制限等により、予定していた活動を実施できなかったため。R2年度は、pythonによる新しいDashboardの開発委託、疫学的解釈を支援するinfographicsの作成委託などに使用する予定である。
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