研究課題/領域番号 |
19K10635
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研究機関 | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
研究代表者 |
大角 晃弘 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 部長 (30501126)
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研究分担者 |
河津 里沙 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 研究員 (10747570)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 結核 / 治療継続 / 多国間連携 / 患者紹介 |
研究実績の概要 |
【目的】日本で結核と診断された外国生まれ結核患者が、治療中に帰国する場合の日本とアジアのいつくかの国の間における患者紹介制度を構築する。 【方法】フィリピン・中国・ベトナム・韓国・ミャンマーの各国家結核対策課の担当者と同意書・患者紹介状の共通フォームと紹介患者電子台帳を作成し、結核患者の日本から帰国後の結核治療継続のための制度を試行する。 【成果】今年度は、2016年度と2017年度に結核治療中に帰国した外国出生者を有する保健所を対象に、結核治療中の帰国者の背景調査を実施した。また、各国関係者と情報交換し、同意書・患者紹介状共通フォーム・紹介患者電子台帳を作成した。同意書と患者紹介共通フォームについては各国語に翻訳した。研究計画について、結核研究所とフィリピン保健省における倫理審査委員会の承認を得、現在国立国際医療センター、韓国結核研究所において倫理審査委員会手続きを進めている。 【結核対策への貢献】日本とアジアの国々における多国間結核患者連携制度を構築することにより、国を超えた結核患者移動に対応した患者ケアの提供が可能となることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
結核研究所とフィリピン保健省以外の韓国・中国・ミャンマーにおける倫理審査委員会承認手続きは進行中であるが、コロナウイルス感染症拡大の影響等により、審査手続きが延滞している。ベトナムについては、保健省担当者から倫理審査委員会承認手続きは不要との回答を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
・昨年度実施した保健所を対象とする結核治療中の帰国者背景調査で得られた情報を整理し、発表する。 ・2020年度以降、結核予防会結核研究所臨床疫学部のホームページにおいて、多国間結核患者連携制度に関する情報を発信し、日本の保健医療関係者が直接必要な書類の入手が出来るようにする。 ・対象国に結核患者を紹介した後の患者服薬支援を現地関係者と行い、帰国後治療継続・治療完了に関する情報を収集開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地関係者との打合せのための研究者の渡航費は、研究者が他の予算による業務のために渡航した時に合わせて、打合せを実施したため、海外出張に伴う渡航費の支出をしなかった。 次年度は、コロナウイルス感染症拡大に伴う渡航困難な状況であることを鑑み、本年度使用予定であった予算については人件費に充て、国内での本研究実施体制の強化を行う予定である。
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