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2022 年度 実施状況報告書

国境を越えて移動する結核患者の医療継続支援制度構築とその有用性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 19K10635
研究機関公益財団法人結核予防会 結核研究所

研究代表者

大角 晃弘  公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 部長 (30501126)

研究分担者 河津 里沙  公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 主任研究員 (10747570) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード結核 / 外国出生 / 治療継続支援 / 国外転出
研究実績の概要

【目的】日本で結核と診断された外国生まれ結核患者が、治療中に帰国する場合の日本とアジアのいつくかの国の間における結核患者紹介制度を構築する。
【方法】フィリピン・中国・ベトナム・韓国・ミャンマー等の各国家結核対策関係者と連携し、日本で結核と診断された外国生まれ結核患者の帰国後結核治療継続状況と結核治療成績等に関する情報収集を行い、日本から帰国後の結核治療継続のためのメカニズムを試行し、評価する。
【結果・考察】2019年4月以降2022年12月までに130人の外国生まれ結核患者の支援を受け付け、そのうち112人について分析した。年齢中央値は27歳、男性が62.5%を占め、ヴェトナム・フィリピン・インドネシア・中国の4カ国で約8割を占めていた。帰国後受診を確認できたのは、98人(87.5%)で、残り14人中13人は、その後も治療継続を確認できず、治療継続支援中断となっていた。2023年2月時点で結核治療が終了予定である79人中の66人について治癒または治療完了が確認でき、治療成功率は83.5%であった。
【結論】本研究により構築した外国出生結核の帰国後結核治療支援メカニズムにより、帰国後受診確認が87.5%、治療成功率は83.5%とともに8割以上を示した。帰国した結果っく患者の帰国後の受診を確認することが、その後の治療継続に繋がることが確認できた。
【結核対策への貢献】日本とアジアの国々における多国間結核患者連携メカニズムを構築することにより、国を超えた結核患者移動に対応した患者ケアの提供が可能となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19の世界的流行のため、結核治療中に帰国する外国出生結核患者数が減少したため、必要な患者数を確保するため、研究機関を延長した。

今後の研究の推進方策

・次年度中に、これまでの研究によって得られた知見を整理し、学術論文として発表する。
・日本で結核治療中に帰国する外国出生結核患者が、帰国後も結核治療を確実に受けることができる体制の構築のために、関係者と協議する。
・今回の研究で得られた知見を元に、世界保健機関西太平洋地区事務局との連携を強化して、アジア地域における移民の結核治療継続支援体制構築を目指す。

次年度使用額が生じた理由

・COVID-19の世界的流行のため、結核治療中に帰国する外国出生結核患者数が減少したため、必要な患者数を確保するため、研究機関を延長した。
・今年度は、今までに得られた研究成果をまとめた上、学術論文として発表するとともに、外国出生結核患者が帰国後も結核治療を確実に受けることができる体制の構築の可能性について、関係者と協議する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ベトナム出生結核患者の治療成績と治療中に帰国し治療継続支援を行った患者の転帰.2022

    • 著者名/発表者名
      李祥任、河津里沙、大角晃弘、橋本理生、山口梓、高崎仁.
    • 学会等名
      第97回日本結核・非結核性抗酸菌症学会学術講演会.
  • [学会発表] 外国生まれ結核患者が治療中に帰国することを選択する背景に関する簡易調査.2022

    • 著者名/発表者名
      大角晃弘、河津里沙、李祥任、内村和広、山口梓..
    • 学会等名
      第97回日本結核・非結核性抗酸菌症学会学術講演会.

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公開日: 2023-12-25  

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