研究課題/領域番号 |
19K10658
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
望月 美恵 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (40422688)
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研究分担者 |
雨宮 伸 埼玉医科大学, 医学部, 客員教授 (10118903)
菊池 透 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10240772)
杉原 茂孝 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10241960)
横道 洋司 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20596879)
武者 育麻 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (40750047)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 血糖管理指標 / AG/HbA1c比 / 糖尿病性合併症 / ヘモグロビンA1c / グリコアルブミン / 重症低血糖 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、新しい平均血糖指標(adjusted HbA1c,aA1c)を作成し、aA1cが日本人1型糖尿病患者の細小血管・大血管合併症、低血糖の予測指標としてHbA1cより優れていることを明らかにすることである。ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖尿病患者さんの合併症予防の目安だが、同じHbA1c値でも合併症の起こり易さと低血糖の多さには差がある。この個人差を反映した指標が、HbA1cともう一つの血糖管理指標であるグリコアルブミンとの比(GA/HbA1c比)である。このGA/HbA1c比は、患者さん毎固有の値である。HbA1cとGA/HbA1c比とから個人差の要素を取り入れた患者さん個人で測れる新しい平均血糖指標(aA1c)を作成したいと考えている。糖化の個別性を反映したaA1cを規定することは、短期的には低血糖リスク、中長期的には血管合併症リスクと関連すると想定され、臨床現場で有用だと考えている。具体的には、臨床データを連結して、重症低血糖発症頻度と糖尿病の3大合併症に対する発症年齢、罹病期間とHbA1c、GA/HbA1c比のハザード比を計算し、個々人の糖化度を反映させたaA1cを求める。使用するのは、小児インスリン治療研究会の1型糖尿病患者コホートのデータである。このデータのうち、1995年開始の第1コホートから2008年開始の第3コホート分のデータはクリーニング作業が終了し固定できたが、2013年開始の第4コホートと2018年開始の第5コホート3期分のクリーニング作業が終了していずデータの固定出来ていないため、解析に着手できなかった。初年度は、データの解析に着手できなかったが、データ解析のための環境整備を行い、既存臨床データの整理と検討の中で得られた知見を海外の学会で発表した。また、研究成果を和文誌と英文誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では、小児期発症1型糖尿病患者のデータでとして小児インスリン治療研究会のコホートデータを使用する。しかし、多施設共同で行っている第4コホート全期と第5コホート3期分のデータクリーニング作業に遅れがでている。そのため、データ解析に着手できず、既存データでの解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中にデータを入手し、解析を行う。論文として今年度から来年までに成果を報告し、研究会会員の小児科医と登録症例に個々のハザード比とaA1cを返却したいと考えている。 aA1cの推定では、分担研究者横道の助言を得、統計学的手法の妥当性を確保する。また、研究分担者雨宮・菊池・武者からは分析方法と分析結果についての助言を得ることが欠かせないと考えている。 並行し、研究分担者武者と共に、GA/HbA1c比の家族内相関の検討、GA/HbA1c比が家族内で集積しているかについての検討も行い、こちらも英文誌上で発表したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度、研究成果をオープンアクセス英文雑誌で発表する予定であったが、研究の進捗が遅れているため、これらの経費を次年度に持ち越すことにした。
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