研究実績の概要 |
大迫研究フィールド調査を行い、新規眼底写真の収集と収集した眼底写真解析を行った。 (1)網膜細動脈と細静脈の同定とセグメンテーション:U-Netを組み合わせたIterNetモデルを用いて、網膜細動脈と細静脈を同定し、限られた教師データをもとに精度の高いセグメンテーションを可能とするモデルを構築した。CHASE-DB1データセットにおいてはF1 score 0.8073, Sensitivity 0.7970, Specificity 0.9823, Accuracy 0.9655, そしてAUC 0.9851を達成し、既報に勝る結果を得た。STAREデータセットにおいても、F1 score 0.8146, Sensitivity 0.7715, Specificity 0.9903, Accuracy 0.9701, そしてAUC 0.9881を達成し、Specificityを除く精度指標において既報に勝る結果を得た。 (2)網膜細動脈と細静静脈交叉部の検出:(1)によりセグメンテーションされた動脈、静脈が交叉する部分を自動検出するシステムを作成し、網膜写真を入力すると交叉部のパッチ画像を生成するシステムを構築した。 (3)網膜細動静脈交叉部の医師判定をもとにした重症度推定深層学習モデル作成:交叉部のパッチ画像4240枚を網膜専門医が重症度を4段階評価した結果を教師データとし、複数の深層学習モデルにより自動的に判別を試みた。その結果、precision 98.1%, recall 89.7%, スコア(0-3)推定のmean squared error (MSE)は0.21 (variance 0.36)を達成した。
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