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2019 年度 実施状況報告書

循環器検診における眼底細動脈硬化所見自動判定システム開発と予測能評価

研究課題

研究課題/領域番号 19K10662
研究機関大阪大学

研究代表者

川崎 良  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (70301067)

研究分担者 大久保 孝義  帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)
中島 悠太  大阪大学, データビリティフロンティア機構, 准教授 (70633551)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード網膜血管 / 動脈硬化 / 検診 / 予防医学 / 危険因子 / 循環器疾患
研究実績の概要

大迫研究フィールド調査を行い、新規眼底写真の収集と収集した眼底写真解析を行った。
(1)網膜細動脈と細静脈の同定とセグメンテーション:U-Netを組み合わせたIterNetモデルを用いて、網膜細動脈と細静脈を同定し、限られた教師データをもとに精度の高いセグメンテーションを可能とするモデルを構築した。CHASE-DB1データセットにおいてはF1 score 0.8073, Sensitivity 0.7970, Specificity 0.9823, Accuracy 0.9655, そしてAUC 0.9851を達成し、既報に勝る結果を得た。STAREデータセットにおいても、F1 score 0.8146, Sensitivity 0.7715, Specificity 0.9903, Accuracy 0.9701, そしてAUC 0.9881を達成し、Specificityを除く精度指標において既報に勝る結果を得た。
(2)網膜細動脈と細静静脈交叉部の検出:(1)によりセグメンテーションされた動脈、静脈が交叉する部分を自動検出するシステムを作成し、網膜写真を入力すると交叉部のパッチ画像を生成するシステムを構築した。
(3)網膜細動静脈交叉部の医師判定をもとにした重症度推定深層学習モデル作成:交叉部のパッチ画像4240枚を網膜専門医が重症度を4段階評価した結果を教師データとし、複数の深層学習モデルにより自動的に判別を試みた。その結果、precision 98.1%, recall 89.7%, スコア(0-3)推定のmean squared error (MSE)は0.21 (variance 0.36)を達成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

予想よりも少ない枚数の画像、教師データで十分に精度の高い判別モデル作成が可能であったことから、2020年度に計画していた内容を前倒しして進めることができた。一致度においては網膜細動脈交叉部の判定がprecision 98.1%と目標であった95%を達成した。recallは89.7%であり、さらに向上を目指して研究を続ける予定である。

今後の研究の推進方策

今年度に予定されていた新規健診対象者のフィールド調査が新型コロナウイルス感染拡大を予防するために健診会場での調査を中止せざるを得ない見込みとなった。今年度の成果から、すでに収集した画像で十分に精度の高いシステムを構築することができる見込みが得られたため、研究全体の進捗には大きく影響しないものと考えている。その一方で、研究結果の妥当性、特に循環器イベントとの関連評価においてはすでにフィールド調査が終わっているコホート研究との共同研究、UKBiobankなどのオープンデータの利用によりより多数のデータを用いた検証を行うよう研究計画の追加も検討している。

次年度使用額が生じた理由

予定していた大迫市におけるフィールド調査の日程が一部延期となり次年度に持ち越しになった。この分のフィールド調査は2020年度に行う予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Retinal neovascularization-simulating retinal capillary reperfusion in branch retinal vein occlusion, imaged by wide-field optical coherence tomography angiography.2020

    • 著者名/発表者名
      Sakimoto S, Kawasaki R, Nishida K.
    • 雑誌名

      JAMA Ophthalmology

      巻: 138 ページ: 216-218

    • DOI

      10.1001/jamaophthalmol.2019.5018

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Improving the current diabetic macular oedema screening programme.2019

    • 著者名/発表者名
      Wong I, Wong R, Gangwani R, Chong V, Kawasaki R.
    • 雑誌名

      Hong Kong Med J.

      巻: 25 ページ: 8-11

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] IterNet: Retinal Image Segmentation Utilizing Structural Redundancy in Vessel Networks2020

    • 著者名/発表者名
      Liangzhi Li, Manisha Verma, Yuta Nakashima, Hajime Nagahara, Ryo Kawasaki
    • 学会等名
      The IEEE Winter Conference on Applications of Computer Vision
    • 国際学会
  • [学会発表] Epidemiology of eye diseases: a framework to connect the dots.2019

    • 著者名/発表者名
      Kawasaki R
    • 学会等名
      The 121th Korean Ophthalmological Society
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] Computational Retinal Image Analysis2019

    • 著者名/発表者名
      Kawasaki R & Graulsund J.
    • 総ページ数
      502
    • 出版者
      Elsevier
    • ISBN
      978-0-081-02816-2
  • [図書] Innovative Approaches in the Delivery of Primary and Secondary Eye Care2019

    • 著者名/発表者名
      Kawasaki R & Kawasaki Y
    • 総ページ数
      194
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      978-3-319-98013-3

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公開日: 2021-01-27  

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