| 研究課題/領域番号 |
19K10664
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| 研究機関 | 長崎大学 |
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研究代表者 |
延末 謙一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20823272)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | ヒトT細胞白血病ウイルス1型 / 成人T細胞白血病・リンパ腫 / HTLV-1関連脊髄症・熱帯性痙性麻痺 / HTLV-1ぶどう膜炎 / 長崎県五島市 |
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| 研究実績の概要 |
長崎大学離島医療研究所は、2014年度から長崎県五島市住民を対象としたコホート研究を実施している。2018年度までに全人口36,266人の12.7%にあたる4,589人が参加し、うち3,637人に抗HTLV-1抗体スクリーニング検査(CLEIA法)が施行され、617人の感染者が確認された。また五島市には、五島中央病院眼科、富江病院眼科、奈留病院眼科、ダケ眼科クリニックの4か所の眼科が有るが、2019年度中に五島中央病院眼科とダケ眼科クリニックの協力を得て個人情報を削除した形で患者データを閲覧し、それぞれ396人と117人のぶどう膜炎患者が確認された。これらのデータを突合し、全ぶどう膜炎患者に占めるHTLV-1陽性患者の割合を23.4%と推定した。先行研究のうち、日本全国36大学病院眼科の2009～2010年のぶどう膜炎患者3,630人に占めるHTLV-1陽性患者は0.8%、HTLV-1高感染地域の宮崎県都城市の一眼科医院の2010～2014年のぶどう膜炎患者949名に占めるHTLV-1陽性患者は14.2%であったから、五島市の割合は突出して高いことが判明した。
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、スタッフの他院への出入りが制限されたため、五島中央病院のみでの疫学データ収集が主たる活動となった。現在、スタッフが電子カルテから起こした調査票を集計中である。
五島中央病院はJSPFAD(HTLV-1感染者コホート共同研究班)実施医療機関であるが、2014年以降、協力を中断していた。本研究活動の一環として2019年4月から協力を再開し、これまでに20人の新規協力者を得て、29回の採血が施行された。ただし2020年度は、新型コロナ禍により検体受け入れが一時中断されたため、協力者募集も一時中断した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
まず、富江病院眼科と奈留病院眼科のデータを予定通り収集できなかった。研究代表者自身の臨床医としての業務が、新型コロナウイルス感染拡大に対応して増大した。調査対象の医療機関も業務が増大し、さらに感染対策のための立ち入り制限を行ったことから、調査の受け入れが困難となった。
次に、JSPFADが新型コロナウイルス感染拡大に対応し、検体の受け入れを一時中止した。このため協力者の募集も一時中止した。
最後に、ダケ眼科受診者ですでに自分自身がHTLV-1感染者であることを知っている方を対象に、JSPFADへの協力をお願いし、情報提供と経過観察を継続的に行う案を五島中央病院倫理委員会に提出すべく準備したが、再び長崎大学の反対により阻止された。
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| 今後の研究の推進方策 |
HTLV-1感染者に対し、JSPFADの枠組みを利用し情報提供と経過観察を継続的に行う研究は断念し、疫学データの収集と分析のみを行う。代わりに、調査対象疾患をぶどう膜炎に限定せず、成人T細胞白血病・リンパ腫、HTLV-1関連脊髄症・熱帯性痙性麻痺に広げ、経過の追跡も行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で富江病院と奈留病院の調査ができなかったことと、HTVL-1感染者への情報提供・経過観察ができなかったことから、そのためのスタッフの雇用が不要となったためである。また、五島市・本土間の移動も新型コロナ禍により制限され、学会はすべてオンライン開催となったため、旅費も不要となった。
2021年度は、引き続き疫学データ収集のためのスタッフを雇用し、機会が有れば学会にも参加する。また論文の投稿、英文校正の費用も計上する。
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