研究課題/領域番号 |
19K10665
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
野中 大輔 琉球大学, 医学部, 准教授 (00538275)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ポジティブデビアンス / 手洗い / 衛生 / 下痢症 / ラオス |
研究実績の概要 |
第一に、共同研究者であるラオス国立熱帯公衆衛生院の所長らと討議を重ね、研究プロトコルを完成させた。第二に、英文で作成した研究プロトコル(調査票、研究説明書、同意書など含む)をラオス語に翻訳した。その後、複数の研究者で翻訳の正確性を確認した。第三に、フィールド調査の準備のため、携帯情報端末(iPad)を用いる調査システムをEpi Collectを用いて構築した。この調査システムによって、調査員による調査手法の統一化、調査票の記入漏れや記入ミスの減少、調査時間の短縮などが可能となり、その結果、調査を通して収集されるデータの精度向上が期待できる。第四に、所属機関(琉球大学)の研究倫理審査を受けて、承認を得た。加えて、ラオス国の研究倫理審査機関(Lao Ethics Committee for Health Research)へ倫理審査申請を行った。しかしながら、年度末からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、ラオス国の研究倫理審査が滞っている状況である。倫理審査以外にも、コロナ禍のためにラオス国の調査地へ渡航できない、ラオス国内を移動できない、という問題にも直面している。以上の状況のため現在、ラオス国保健省が2017年に実施した全国調査(Lao Social Indicator Cluster Survey II)のデータを入手し、解析を進めている。具体的には、下痢症罹患に関連すると考えられる要因(飲料水の質、家畜飼育状況、保護者の学歴、世帯の経済状況など)を統計的に調整しながら、手洗い場に石鹸があるかどうかと5歳未満児の調査前過去2週間に発生した下痢症罹患との関連を解析している。今後の研究の展開として、ラオス国の倫理審査機関から倫理承認が得られ、かつラオス国内でのコロナ禍が解消されしだい、調査を進めるためのラオス国渡航を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、ラオス国の公衆衛生機関の混乱が生じたり、ラオス国への渡航が不可能になったりしたため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが解決次第、ラオス国の調査地近辺における調査システムの事前テストを実施する。調査システムの良好な作動を確認後、調査地におけるベースライン調査を開始する。ベースライン調査で得られるデータを解析し、調査地の実情にあわせた介入計画を立案する。介入計画に基づき、介入を実施する。その後、フォローアップ調査を行い、介入の効果を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、ラオス国調査地における現地調査などの研究活動ができなかったため。感染症のパンデミックが解消しだい、調査を進める予定である。
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