研究課題
東温スタディは、平成21年より愛媛県東温市の地域住民(約2,000人)を対象に、社会心理学的要因に焦点を当て、認知機能及び動脈硬化について多岐にわたる検査項目を継続的に測定している前向きコホート研究である。本研究は、東温スタディにおいて、コホート内症例・対照研究を実施し、社会心理的負担が、精神的ストレス、性ホルモンを介して、アルツハイマー型認知症を中心とする非動脈硬化性認知症及びその前臨床状態である軽度認知障害の発症リスク増加に至るメカニズムを、性差の視点を加味して検証することを目的としている。本研究のベースライン調査(平成26年~平成29年)時点で、60歳以上、かつ認知機能が正常な状態であった対象者を同定し、令和元年~令和4年度に認知機能等の追跡調査を実施した。新型コロナウイルス感染症パンデミックが加速し、国内の感染者数が激増していたため、追跡調査が困難であったため、本研究の軽度認知障害(MoCA-J:25点以下)目標症例数(144人)を達成出来なかったものの、本研究期間内の合計症例数は84人であった。ベースライン調査時点で60歳以上、かつ認知機能に関する追跡調査が実施された対象者303名(上記症例者含む)の凍結保存唾液においてコルチゾール、及びテストステロン濃度を測定した。現在、その測定結果を用いて、性ホルモンの軽度認知障害の発症リスクについて、国内外学会での発表・論文化を進めている。また、ストレスのバイオマーカーである唾液中αアミラーゼと軽度認知障害との関連について、本研究のベースライン調査データを用いた横断研究を実施し、The Journal of Prevention of Alzheimer's Disease(2022; 9: 752-757)に掲載された。
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The Journal of Prevention of Alzheimer's Disease
巻: 9 ページ: 752-757
10.14283/jpad.2022.51
https://www.toon-study.jp/