研究課題/領域番号 |
19K10685
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
近藤 武史 神戸大学, 医学研究科, 講師 (20335441)
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研究分担者 |
上野 易弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (30184956)
高橋 玄倫 神戸大学, 医学研究科, 講師 (90509100)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 虚血性心疾患 |
研究実績の概要 |
間葉系組織の細胞骨格として広く分布している中間径フィラメントビメンチンの心筋における蛋白発現を免疫組織化学にて評価した。虚血性心疾患と診断された法医解剖30例の中性ホルマリン固定パラフィン包埋心筋組織を用いてビメンチンの発現を免疫組織化学にて検討した。死後経過時間は48時間以内とした。 心筋はビメンチン陰性であるが、それ以外の非上皮系細胞は陽性像を示した。虚血性心疾患後の線維化巣において、幼弱な線維芽細胞にビメンチンの発現が見られ、リモデリングが完成すると発現が低下した。壊死心筋に対する好中球浸潤・マクロファージ浸潤を検出した。また、ビメンチンは血球細胞や内皮細胞に陽性になるため心筋出血や心筋鬱血も強調されて染色された。 ビメンチン免疫染色では線維芽細胞、血管平滑筋、血管内皮、神経線維、血球等心筋細胞以外の細胞を全て染め出し心筋の組織改築を明瞭化した。従来のHE染色を用いる手法に加え、虚血性心疾患に伴う心筋細胞以外の細胞の動きを免疫染色で明瞭に染め出すという点で剖検における虚血性心疾患の補助診断に有用である可能性が示唆された。 以上の結果を「虚血性心疾患剖検例心筋組織におけるビメンチン発現の免疫組織化学的検討」として、令和2年開催の日本法医学会学術全国集会で発表した。 また、マウスの冠状動脈前下行枝を完全閉塞させる心筋梗塞モデルを作製し、梗塞1週間後の心筋組織においてトロンボモジュリンとビメンチンの発現を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究計画の中で、培養細胞での検討は未着手であるが、先行して実験動物での検討を行えたため。
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今後の研究の推進方策 |
教室内での細胞培養系の立ち上げを行ったので、今後は培養細胞レベルでのトロンボモジュリンの解析を行う。 血漿に存在する糖蛋白であり、Von Willebrand因子としても知られ、内皮細胞、巨核球、血小板に発現しているVIII因子関連抗原の、虚血性心疾患剖検例心筋における蛋白発現を免疫組織化学にて評価し、令和3年開催の日本法医学会学術全国集会で発表する予定である。 また、心筋におけるトロンボモジュリン発現に関する論文を投稿中である。
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