研究課題/領域番号 |
19K10708
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
深井 喜代子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70104809)
|
研究分担者 |
大倉 美穂 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (10259591)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 月経痛 / 介入研究 / 痛み評価 / 極小な触圧刺激 |
研究実績の概要 |
1.コロナ禍で実施可能な研究計画への変更:2021年度に入っても新株の出現による感染流行が繰り返される状況が好転しないことから、データ収集時の濃厚接触を避けるために、プロトコールを一部改訂した。主な変更点は、①測定項目の変更:「心電図、腹部皮膚温」から「体温」、②テープ貼付の実施場所の変更:「研究室」から「研究対象者の自宅」)である。 2.データ収集状況と経過:データ収集は、年度の前半期に及んだCOVID-19のδ株による感染流行第5波が収束した11月初旬にて開始し、2022年3月に終了した。データ収集は感染予防策を徹底して行った。研究対象者には各群6名計24名を予定したが、最終的に4群、計25名となった(規則的月経周期の20-27歳の健常女性)。対象者の内訳は、A1群7名(1回目の月経期にのみビーズ付きテープを下腹部に貼付)、A2群6名(2回目の月経期にのみビーズ付きテープを下腹部に貼付)、B1群7名(1回目の月経期にのみビーズ無しテープを下腹部に貼付)、B2群5名(2回目の月経期にのみビーズ無しテープを下腹部に貼付)であった。対象者全員が月経開始時刻からは36時間以内に研究室に来訪しデータ収集を受けた。また、対象者全員において、月経痛は概ね月経第1日目が最大であったが、痛み強度曲線が月経期毎に異なっていた事例もあった。 3.データ解析:月経日誌を含む全データ収集の完了は2022年3月中旬であった。2022年3月中に研究打ち合わせ会議(遠隔開催)を持ち、今後のデータ解析方法と、結果を年度内に公表(学会発表と紙上発表)について協議した。分析には全員が関与できるよう、セキュリティを万全にして安全且つ公正に実施することが検討された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度前半期には新型コロナウイルス(COVID-19)のδ株の出現により感染流行の第5波が到来(7月中旬)した。本介入研究では月経期間中に下腹部にテープを貼付するため、データ収集期間は晩秋から冬期とする必要がある。また、年度後半期の感染流行状況を鑑み、さらに関係者の感染予防のために、研究計画を一部変更(身体接触を伴う工程を削除)して研究倫理委員会に変更申請を行った(10月に承認)。以上の経過を経て、本課題研究の主目的である介入研究のデータ収集は、第5波の収束直後の2021年11月中旬に開始し、2022年3月に完了できた。そのため、結果の解析と公表は2022年度に延期することになった。
|
今後の研究の推進方策 |
1.2022年度からは、研究代表者の深井は等挙慈恵会医科大学の非常勤講師の身分を得て、従来通り、本研究を統括・継続する。 2.2021年度に実施した介入研究のデータ解析と結果の公表(学会発表と紙上発表)する(2022年度内を目標)。 3.2021年度に実施できなかった(2019年度に国際学会で発表した)パイロットスタディを、短報もしくは事例研究として学術誌に投稿する。 4.慢性痛のある対象で、ビーズテープを貼付する前後で、鎮痛の有無を含め、対象にどのような現象が起こっているかを多次元的に測定・評価するという研究は、対象者との濃厚接触を伴うため、2022年度も見合わせることにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に計画していた介入研究がコロナ禍により実施不可能であったため、2021年度のコロナ禍第5波収束時に実施した。データ収集は2021年度内になんとか終えることが出来たが、年度末に及んだため、データ解析と結果の公表ができなかった。これらにかかる経費は、研究期間を2022年度まで延長することによって使用する予定である。
|