研究課題
へき地勤務の看護職はマンパワー不足による多重役割や厳しい勤務体制にあり,それらに関連したストレスや負担感が指摘されている.しかし,離島地域の看護師に特化した健康状態,ストレスコーピング,関連要因は明らかではない.今年度は,離島地域看護職の健康に関する研究の動向について文献検討を行った.日本国内で発表された離島地域看護職の健康に関する研究を抽出するため,医学中央雑誌Web版version5を用い,「離島」,「看護職」,「健康」を組み合わせて検索を行った.その結果,75件の原著論文が抽出された.原著論文は2002年以降に報告され,離島地域の看護職自身の健康や労働環境実態に焦点をあてた報告は4件であった.3件が質的記述的研究,1件が仮説検証型研究であった.仮説検証型研究において,バーンアウトの有意な関連要因として,「職務満足」「超過勤務」「気分転換」「上司への相談」が指摘されていた.その他71件は,地域住民の健康を維持増進するための看護実践や他職種との連携システム,卒後教育システムに焦点をあてていた.離島地域看護職者自身の健康実態とその関連要因に焦点をあてた報告は少なく,実態把握調査の必要性が示唆された.離島地域はそれぞれに地域特性を有することから,今後の関連要因検討として,質的,量的アプローチを含めた手法による調査を進める予定である.
3: やや遅れている
調査予定地域の医療事情により,調査実施に向けた調整を見合わせている.
対象地域の調査調整が可能になり次第,調査に向けた準備を進める.
調査のための旅費,分析のための人件費・謝金を計上していたが,調査実施に至らなかった.
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Ryukyu Medical Journal
巻: 38 (1) ページ: 13-23