研究課題/領域番号 |
19K10716
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
林 辰弥 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (00242959)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ローズマリー / ハンドマッサージ / 血栓症予防効果 / ストレス軽減 / 血流改善 |
研究実績の概要 |
血栓症の発症には、血流のうっ滞、血管内皮細胞の障害及び血液凝固制御系や線溶系因子の変動(ウィルヒョウの3徴)が密接に関わるとされており、我々はこれまでに40℃の湯温を用いた20分間の足浴や2%のローズマリーを含むキャリアオイルを用いた20分間のハンドマッサージで、血漿プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1濃度の低下に基づく血栓症予防効果を明らかにしてきたが、足浴やハンドマッサージの血流に及ぼす影響、さらにはそのストレス軽減作用との関連性は明らかではない。本研究ではローズマリーを用いたハンドマッサージの血流に及ぼす影響とともに、そのストレス軽減作用を検証した。 健康な女性被験者を無作為に、20分間の安静群16名、20分間のキャリアオイルを用いたハンドマッサージ群15名、及びキャリアオイルで2%に希釈したローズマリーを用いたハンドマッサージ群15名の3群に分け、安静あるいはハンドマッサージ前後に1回ずつ、及び安静あるいはハンドマッサージ10分後と20分後の計4回、研究用レーザー血流速度計を用いて血流を測定すると同時に加速度脈波測定器を用いて自律神経バランスを測定した。その結果、安静群では安静前の血流速度に比較して、安静後の各経過時間の血流速度に有意な変化は認められなかったが、キャリアオイル及びローズマリーを用いたハンドマッサージ群では、ハンドマッサージ前の血流速度に比較して、ハンドマッサージ直後の血流速度が有意に低下していた。このことは、キャリアオイル及びローズマリーを用いたハンドマッサージにより血流は悪くなること示すものかもしれない。また、これらのストレス軽減に及ぼす影響を自律神経バランスを指標に検討した結果、安静群、キャリアオイルあるいはローズマリーを用いたハンドマッサージ群のいずれにおいても、それぞれの前後で自律神経バランスの平均値に有意な変化は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、代表的な看護技術の1つであるハンドマッサージの血流に及ぼす影響を検討するとともに、そのストレス軽減効果を検証でき、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は足浴の血流改善効果に及ぼす影響を検討するとともに、そのストレス軽減効果を検証する予定である。
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