本研究では、すでに開催している研究会を継続開催しながら、離島・へき地の看護職者へ「支援を届けるシステム」を構築すること、および、離島・へき地で勤務 経験のある医療職者の「経験知」「実践知」を明らかにし、離島・へき地で勤務する看護職者に適した継続教育・キャリア発達支援プログラムについて検討することを目的としている。 今年度は臨床看護研究に関する文献検討を行った。その結果、多くの看護師は、研究プロセスや研究論文作成について充分学んでいない中で研究に取り組み、施設内の研究指導者も同様に、充分学んでいない中で研究指導に当たっていることが明らかになった。現場の臨床研究指導者不足を指摘しているが、その対策として大学等外部の支援方法の充実を目指すものが多く、現場の臨床研究指導者育成に関わるものはほとんどみられなかった。施設内での持続的でタイムリーな研究支援には、臨床看護研究の院内指導者の養成が必要であると考える。 2023(令和5)年度に実施した取組の一つは、対面とICTを併用しへき地にある病院の看護研究支援である。研究テーマの選定、文献検索、研究計画書作成、データ分析方法、結果のまとめなど部署毎に少人数での対面、オンラインミーティング(zoom、LINE)を使用したリアルタイム、メールやLINEチャットを用いた個別指導を行った。対面による個別相談3回、オンラインでの個別相談2回であった。また、COVID-19が2類相当から5類に引き下げられたこともあり、ICLSコースを1回開催することができた。地域の看護師、救急救命士など12名がコースを受講し、受講者全員が日本救急医学会より修了認定を受けた。
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