研究1では、看護師のバーンアウトに焦点を当てた認知行動療法プログラムに基づくメンター制度の有効性を検証した。急性期病院で働く52人のメンターを対象にプログラムを実施。プログラムは3回にわたり、ストレスとバーンアウトの理解から始まり、認知行動療法の基礎知識や介入方法を学ぶ。評価には看護師向けの認知行動療法チェックリストやバーンアウト指標などを使用し、介入前後と介入後3か月の比較を行った。その結果、48人が全ての評価に回答し、介入前と後、及び3か月後の比較を行った。その結果、認知行動療法の知識が有意に向上し、バーンアウト指標が低下した。また、コミュニケーション能力も向上した。メンター制度を活用した看護師のバーンアウト対策と離職意欲低減の効果が確認された。さらに、メンターのバーンアウト低減とコミュニケーション能力向上にも効果が示された。 研究2は、メンターがメンティーに認知行動療法を提供するスタッフ研修プログラムの効果を検証した。急性期病院で働く中堅看護師と若手看護師を対象に、介入前後及び介入後3か月後のストレス、燃え尽き症候群、離職意欲の変化を評価した。その結果、介入により看護師のストレスや燃え尽き症候群が有意に減少し、離職率も低下しました。メンターによる認知行動療法の実施は、メンティのメンタルヘルスを改善する有効であることが検証された。
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