研究課題/領域番号 |
19K10730
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研究機関 | 山陽学園大学 |
研究代表者 |
笹谷 孝子 山陽学園大学, 看護学部, 教授 (70461184)
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研究分担者 |
上野 瑞子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (00808230)
高木 二郎 山陽学園大学, 看護学研究科, 教授 (50384847)
塩谷 由加江 山陽学園大学, 看護学部, 助手 (50829322)
勝原 裕美子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 非常勤研究員 (60264842)
久我原 朋子 山陽学園大学, 看護学部, 講師 (60441482)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中小規模病院 / 人材育成システム / 人材育成プログラム / 看護管理能力 / 看護実践能力 / 教育ニーズ |
研究実績の概要 |
我が国においては医療機関の約8割は300床未満の中小規模病院であり、その人材育成が急務との報告がある。しかし、研究責任者が行った研究では、一般的な看護師の実践能力を200床以上と200床未満で比較すると、200床未満の病院に所属する一般的な看護師の実践能力は低く、専門性が高い看護師数も少ないことが明らかになった。また、一般的な看護師の実践能力は、個人要因よりも組織要因と専門性要因に、より影響を受けることが明らかになった。 これらのことより、施設によって継続教育体制整備に違いがあるという組織的な理由から、実践能力に差が生じているのではないかと推察する。そこで、中小規模病院に対して、地域力を活用した新たな人材育成システムを開発することで、看護管理者の管理能力を高め、実践能力の施設規模間の格差を無くすことができるのではないかと考える。 中小規模病院の看護管理者の管理能力および看護職の実践能力の強化を目指し、大学教員と看護管理者がコラボレーションし、地域力を活用した新たな看護職人材育成システムを開発し、その有用性を明らかにすることが本研究の目的である。 令和元年12月13日に山陽学園大学研究倫理審査の承認を得て調査を開始した。岡山県内の病床数300床未満142病院の看護管理者を対象に郵送にて、人材育成の現状および人材育成上の課題とニーズを明らかにするための質問紙調査を実施した。同時に、人材育成プログラムに基づいた研修実施への研究協力病院を募集した。質問紙と同意書は24病院から返信され(回収率17%)、分析後研究発表予定である。このうち、8病院から研修実施の協力が得られた。令和2年度から、看護管理者を対象に研修を実施予定である。新型コロナウィルス感染対策により、移動制限されていた状況であったが、規制緩和を受け、研修日程の調整中であり、日程調整が整い次第研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年間の令和元年度は、人材育成システムの現状および人材育成上の課題とニーズを明らかにするための質問紙調査を実施した。同時に、人材育成プログラムに基づいた研修実施への研究協力病院を募集した。質問紙と同意書は24病院から返信され、このうち、8病院から研修実施の協力が得られた。 2年目の令和2年度からは、看護管理者を対象に研修を実施予定であった。しかし、2月~6月は、新型コロナウィルス感染対策により、府県をまたいだ移動が制限されていた状況であったため、実施予定が遅れた。現在、規制緩和を受け、研修日程の調整中である。日程の調整が整い次第人材育成プログラムによる研修を実施し、研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後2年間に渡って、研究協力が得られた中小規模病院看護管理者を対象に研究協力病院において認定看護管理者資格を有する大学教員2名で約1時間の研究者が開発した人材育成プログラムに基づいた看護管理者研修を実施する予定である。実施に当たっては、看護管理能力測定(看護管理能力評価尺度他)を行い、研修前後の能力や満足度の評価を行う。 同時に、中堅看護師を対象に研究協力病院にて認定看護管理者資格を有する大学教員2名で約1時間の研究者が開発した人材育成プログラムに基づいた看護者研修を実施する。実施に当たっては、看護実践能力測定(キャリア中期看護師の臨床実践力測定尺度ver.3他)を行い、研修前後の能力や満足度の評価を行う。これらの結果から、人材育成プログラムの有用性を評価し、修正を加える。最終年度には、人材育成システムとプログラムの有効性を公表し、普及を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度より、研究協力病院での研修を開始予定であったが、新型コロナウィルス感染により、研修開始が遅れているため。
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