研究課題/領域番号 |
19K10748
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研究機関 | 松蔭大学 |
研究代表者 |
中澤 沙織 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50784477)
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研究分担者 |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
冨田 幸江 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50331567)
横山 ひろみ 埼玉医科大学, 保健医療学部, 講師 (30795521)
千葉 今日子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 助教 (00761181)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 新卒看護師 / サポート / 実地指導者 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
本研究では、新卒看護師が働き続けられるための新卒看護師サポートプログラムを構築することである。 第一段階として新卒看護師が認識する実地指導者からのサポートを明らかにするため,首都圏内の大学病院2施設に勤務する新卒看護師7名にグループインタビュー調査を実施した。その結果,看護技術の習得や業務を遂行する,実践した看護の意味づけをするといった直接的な業務に関する【業務的サポート】と,新卒看護師の状況を気にかけ,声をかけることや話を聴く,一人の新卒看護師として認め,褒める,叱るなど情緒に働きかける【情緒的サポート】が明らかとなった。 第二段階として,新卒看護師が認識する実地指導者のサポート評価尺度を開発するため,初めに第一段階の結果と新卒看護師のサポートに関する文献を基に33項目で構成された本尺度原案を作成した。次に首都圏内にある大学病院と国立病院10施設の新卒看護師を対象に質問紙調査を行い,尺度の信頼性・妥当性を検証した。その結果,有効回答者は553名(72.2%)であり,平均年齢は23.3±2.9歳,性別は男性49名(8.9%),女性504名(91.1%)であった。項目分析にて8項目を削除後,25項目に対し探索的因子分析(最尤法,プロマックス回転)を実施し,【実践面のサポート】と【情緒面のサポート】の2因子が抽出された.確証的因子分析におけるモデルの適合度はGFI=0.903,AGFI=0.870,RMSEA=0.080(P<0.01)であった。基準関連妥当性では,本尺度と看護師におけるメンタリング機能尺度との間に0.73の相関があった。本尺度全体のクロンバックα信頼係数は0.95,テスト-再テスト法による級内相関は0.75であった.これらより本研究にて開発された新卒看護師が認識する実地指導者のサポート評価尺度は一定の信頼性と妥当性が検証された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2019年度にて実施する予定であった第一段階の新卒看護師が認識する実地指導者のサポートを明らかにすることができた。また,2020年度に実施する予定であった第二段階の新卒看護師が認識する実地指導者のサポート評価尺度も完成した。さらに,これらを現在学会発表,論文投稿に向けて進めているため当初の計画以上に順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後,第三段階である新卒看護師が認識する実地指導者のサポートがバーンアウトに及ぼす影響を明らかにし,具体的なサポートプログラムを構築していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新卒看護師が認識する実地指導者のサポートの質的研究を学会発表、尺度開発論文の作成、新卒看護師が認識する実地指導者のサポートがバーンアウトに及ぼす影響の調査、学会発表をする。 また、2019年度までは博士課程に在学中であったため、SPSS、AMOSを1年間限定の学生割で購入できたが、2020年度は新たに購入し解析する。
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