研究課題/領域番号 |
19K10750
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
岸田 泰子 共立女子大学, 看護学部, 教授 (60294237)
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研究分担者 |
久保 恭子 (木村恭子) 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (10320798)
山口 雅子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (60259653)
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高度生殖補助医療 / 倫理的問題 / 看護倫理 / 看護教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、第三者の関与を伴う、いわば倫理的問題を含む生殖補助医療(以下ART)におけるケアに従事する看護者の倫理意識と倫理的問題への対応、また倫理意識に影響する要因を明らかにし、生殖医療に関与する看護者の倫理教育への一助とすることを目的としている。3年目となる2021年度は、コロナ禍の影響により、引き続き研究活動の進展は困難であった。昨年度と同様にこれまでに集積したデータの見直し、学術論文作成、次年度以降に実施する調査準備を行った。本研究への示唆を得るための文献的検討およびこれまで集積したデータの見直しにより明らかになったこととして、次のようなことが挙げられた。 1.海外で不妊治療を経験した者は少数だが存在し、増加傾向になると予測されていたが、現状ではそれほどの増加はみられていない。現在コロナ禍の影響は大きいが、それだけでなく、当事者たちは海外でのARTを実施しなかった理由として、リスクを挙げており、当事者らの不安やリスクを把握した上での安全性が確保されたARTの実施が必要とされる。 2.第三者が関与するARTについての容認の程度には男女差があり、また、自分のこととなるとカップルのどちらかの遺伝子のみしか継承されないことに対する抵抗感がある。さらに、不妊治療の主導権は女性のほうが強い。 3.第三者が関与するARTについて、一般論としての容認の程度は、不妊治療経当事者と医療従事者とでは類似しており、必要と考える割合は高い。 4.不妊治療を受ける女性の健康状態にはパートナーとの関係性が影響するため、カップル双方の意識、またカップルの関係性をも理解して支援することが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染の影響により、日本国内およびタイ国内においても、調査実施が困難な状況が続き、打合せも十分できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
協力大学との打ち合わせはでき得る限りウェブ利用で実施しながら、研究遂行する。調査実施への懸念が続いているが、調査はウェブ利用による方法を行う予定とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染の影響により、日本国内およびタイ国内において打合せ旅費の使用ができなかったこと、それにより調査準備状況が不十分であったことによる。次年度は状況により、ウェブ会議等を充実させて研究を遂行する。
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