研究課題/領域番号 |
19K10753
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
三浦 友理子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70709493)
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研究分担者 |
小山田 恭子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70719252)
奥 裕美 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80439512)
宇都宮 明美 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80611251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 臨床判断 / 総合実習 / 看護学実習 / 看護実践能力 / 専門職開発 |
研究実績の概要 |
看護系大学生の「ナースのように考える」臨床判断力を育成するプログラムを開発し、その効果を評価することを本研究の目的とする。2020年度は、文献研究により、臨床判断における文献レビューを行った。 臨床判断に関する知見については以下であった。第1に、臨床判断のモデルや定義はTanner(2004)の論文で示された定義が多くの研究で使用されている傾向があった。概念分析に基づくMarettiの定義は、帰結等の記載にさらなる研究の課題があるものの、先行要件等の提示があり今後使用されていくことが予測される。第2に、臨床判断を育成する方法は様々な国で施行されているが、エビデンスを主張できる方法はまだ提示されていない状況であった。HFS、Concept-Based Learning Activity、Outcome- Present State Test (OPT)モデル、Double-pragmatic program などが紹介されているが、臨床判断の評価指標の発展と共にこれらの有効性を検証する研究が進展することが予測された。第3に、臨床判断を測定する指標としてタナーの臨床判断モデルを活用したLCJRが多く使用されている現状があった。包括的な指標として用いられているのと共に、それぞれのフェーズをより具体化した観点が有用であり、臨床判断の理解を促進したものと思われる。測定の目的だけでなく、教授者と学習者の共通言語を得ることにもつながり、教育実践に向けて適用可能性が高いと考察されている。 以上のように、臨床判断の育成方法や評価に関する知見は、まだ限定的である。また、本研究の目的である実習における学習プログラムの開発に対する直接的な知見はない。次の研究では、臨床判断のトリガーとなる看護実践の概念を決定するとともに、臨床判断を高める経験について質的に探索し、実習方法の構築を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、新人看護師に必要とされる臨床判断能力の内容と、臨床判断のトリガーとなる看護実践のコンセプトについて、臨床看護師へのインタビューをもとに探索を行う予定であった。一方で、文献研究により、上記の目的を果たす研究方法について、さらに検討を行う必要があったため、実施が遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、新人看護師に必要とされる臨床判断能力の内容と、臨床判断のトリガーとなる看護実践のコンセプトについて、臨床において新人看護師の教育的な役割を持つ看護師を対象に質問紙調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度予定していた、臨床看護師の臨床判断のトリガーとなる看護のコンセプトについての質的記述的研究が2021年度に延期となったため。
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