研究課題/領域番号 |
19K10754
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
植田 満美子 東邦大学, 健康科学部, 助手 (70827063)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (00229098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 潜在看護師 / 復職支援 / メタ統合 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、復職を望みながらそれを実現できずにいる潜在看護師の離職後の経験と、復職を実現できた潜在看護師の離職後の経験の比較を通して、復職を目指す潜在看護師の経験の特徴を明らかにするとともに、復職実現を構成する要素を考察し、個別の状況に応じた復職支援提供への示唆を得ることである。研究期間は3年間の予定である。 令和元年度は、面接によるデータ収集を予定していた。しかし、研究対象者である「復職を望みながらそれを実現できない状況にある潜在看護師」の要件の根拠となるものを示すことができなかった。そこで、復職できた潜在看護師の経験を概念化した先行研究を再分析した。再分析の結果は、潜在看護師の復職過程が、「自適生活期」「復職可能性吟味期」「就労先探索・決定期」など7期に分類できることを明らかにした。同時に、復職に至る過程には、復職を決意するために復職可能性を吟味する時期があることが明らかになった。この成果を根拠とし、本研究の対象者は、当初「看護職の免許を必要条件とする職種への就職を決意してから6ヶ月以上復職を実現できていない者」としたが、これに「復職可能性を吟味し始めてから、6ヶ月以上復職を実現できていない者」を追加することとした。 令和2年度は、データ収集と復職を実現できない潜在看護師の経験の概念化を行い、令和3年度に先行研究と令和2年度の研究成果のメタ統合、および原著論文作成を行うことに計画を修正する。 なお、令和元年度は、研究代表者・植田の役割は、①再分析に向けた方法論についての情報収集、方法論の検討、②先行研究の再分析であった。研究分担者・舟島の役割は、①最新の研究方法論に関する国内外からの情報収集、②研究代表者の再分析の過程すべてに渡るスーパービジョン、③先行研究の再分析であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の項でも述べたとおり、令和元年度は、研究対象者の要件の根拠を示すために、予定になかった先行研究の再分析を実施した。また、この再分析の研究方法論の検討に時間を要したため、再分析の完了が大幅に遅延することとなった。そのため、データ収集の開始が、予定よりも1年遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、データ収集を開始する。本研究は、対面の面接によるデータ収集を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行に関連した社会情勢を鑑み、Web会議システムを活用した面接に変更するなど対応を検討中である。9月中にデータ収集を完了し、10月から3月にかけ分析を実施する。そして、令和3年度4月からに第2段階の分析、メタ統合をおこない7月から12月にかけ原著論文を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度にデータ収集を予定していた。面接によるデータ収集のため、移動に伴う旅費や研究対象者への謝礼を計上していた。しかし、データ収集を実施できなかったため、次年度に繰り越すこととなった。 繰り越した助成金と令和2年度以降の使用額は、データ管理のためのノートパソコン購入、データ収集に伴う旅費および研究対象者への謝礼、データ分析の方法論に関する情報収集や書籍購入に使用する予定である。
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