研究課題/領域番号 |
19K10757
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
久米 弥寿子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (30273634)
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研究分担者 |
田丸 朋子 武庫川女子大学, 看護学部, 講師 (00634940)
山口 晴美 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (00750506)
清水 佐知子 武庫川女子大学, 看護学部, 准教授 (50432498)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 看護学生 / 看護師 / コミュニケーション / 可視化 / 構造化 |
研究実績の概要 |
1.看護師間のコミュニケーションの量的・構造的把握:本研究への研究協力施設は、調査依頼書を郵送し、近畿地域の3病院より参加協力の同意を得られた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大及び緊急事態宣言により、研究実施は見合わせており、医療体制のひっ迫状況などを鑑み、時期を調整中である。 2.看護学生と教員のコミュニケーションの量的・構造的把握:研究参加の同意を得られたA看護系大学のグループ演習場面とする4~5名程度のグループと教員3名を含む集団を測定対象として実施した。ビジネス顕微鏡(日立ハイテック社製)により、看護学生と教員に名札型センサーをグループ演習開始前に装着してもらい、演習終了時に回収した。看護学生55名と教員3名のコミュニケーションの量や構造の分析では、(a)対面時間、(b)密度、(c)集中度、(d)相互性の指標により実態を明らかにし、組織ネットワーク図を表示して、ネットワークの密度や位置関係などからその特徴を考察した。現在、ネットワーク密度や対面時間の分析を進めているところであり、グループによって、ネットワーク図に偏りがある、集中度に傾向があること、対面時間にもばらつきがあることなどの傾向が示唆されている。今後、詳細な分析を進め、学生のコミュニケーションのタイプ分類や組織ネットワーク図を表示して、特徴を考察する。 3.構造的特徴と参加者の主観的認識との関連性の分析:チームワーク測定尺度や職務満足度尺度の下位尺度との順位偏相関係数を算出して、その関連性を分析する。構造的なタイプ分類や対話時間などによって、チームワークや満足度と関連性があるのかを検討し、コミュニケーションのあり方と参加者の満足度等との関連性を考察する。臨地実習環境や遠隔授業などの増加に伴い、コミュニケーションの様相が変化していることが推測され、詳細な分析と考察を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により、医療機関への負担を鑑み、データ収集を見合わせている。また、学外者の入構制限が各教育機関においても進められており、研究実施時期を調整中である。
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今後の研究の推進方策 |
医療機関におけるデータ収集については、新型コロナウイスルスの感染者の状況や医療のひっ迫状況などを踏まえて、できるだけ負担にならない時期や方法を再検討して、計画を見直す予定である。 看護学生対象の調査については、学年やグループ演習の機会を幅広く捉え、学内実習や授業におけるグループ学習やグループでの課題学習の場面なども集団内コミュニケーションの調査の機会となるように調整対象や機会を調整する。今後は、データ収集の実施時期や学習内容及び対象学年の学習内容の進捗状況を組み合わせながら、データ収集機会を追加及び確保するように再検討し、データ収集を継続するものとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、研究協力予定の3カ所の医療機関のデータ収集時期を保留及び延期し、測定機器のレタル期間が半分となったため、次年度使用額が生じた。研究協力の受け入れが開始となれば、再度の研究依頼と説明を行い、より負担のかからない時期と方法を調整し、データ収集を行う計画である。その際、測定機器のレンタル期間が再度生じることから、使用予定額がそのまま執行される予定である。医療機関において、データ収集を安全に、また感染予防対策をとりながら実施することから、場合により、各施設でのデータ収集期間と次の測定までの機関に余裕を持たせ、測定機器の消毒なども丁寧に行い、時期に余裕を持って測定を行う。必要に応じて、測定機器のレンタル期間の調整を行い、レンタル費用を優先的に確保して、研究計画と予算執行をしていく計画とする。 また教育機関におけるデータ収集においても時期的な制約があったことから、再度、対象者の確保と実施機関及び教育目的や形態による集団間コミュニケーションの影響を踏まえて実施計画を調整し、データ収集の追加を計画している。
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