研究課題/領域番号 |
19K10764
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田中 真琴 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (50431763)
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研究分担者 |
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
川上 明希 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (00734021)
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 炎症性腸疾患 / クローン病 / 潰瘍性大腸炎 / モニタリング |
研究実績の概要 |
本研究はIBDの疾患活動度を客観的に評価可能な簡便な方法を開発することを目指し、直腸肛門粘膜から非侵襲的に採取した検体から、極性を有するニトロセルロースメンブレンを使って炎症性サイトカインを検出する方法の有用性・実施可能性を検討することを目的とした。これは、皮膚の評価法として開発された手法の腸粘膜への応用可能性を検討するものである。また、IBD疾患管理においては患者の主観に基づくアウトカム評価(Patient Reported Outcome Measures: PROMs)の開発も喫緊の課題であり、国際比較可能な尺度開発、それを使用しての評価も本研究の目的とした。 皮膚での技術の応用であるため、パイロットスタディでは、直腸肛門粘膜からの検体で、ニトロセルロース膜にサイトカインが定量的に結合するかについて検証し、確実に検体を採取できる可能性が高い方法を検討し、健常人のサイトカイン値の分布を把握することを目指し実験を行った。ターゲットとするタンパク質の検出には、抗体を用いて組織標本中の抗原を検出する免疫染色法を用いた。異なる実験条件下のタンパク質量を半定量(比較定量)する際、結果を標準化するため内在性コントロールとして、今回アルブミンを使用した。 分析は、ブロッキング→Alb抗体反応→蛍光顕微鏡撮影→TNF-α抗体反応→蛍光顕微鏡撮影→画像データ輝度解析と進めた。 検体採取が被検者に委ねられるため、採取の標準化が困難なこと、輝度解析による量的評価は、さらなる妥当性検討が必要であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IBDの疾患活動度を客観的に評価可能な簡便な方法を開発することを目指し、直腸肛門粘膜から非侵襲的に採取した検体から、極性を有するニトロセルロースメンブレンを使って炎症性サイトカインを検出する方法の有用性・実施可能性を検討した。検体採取が被検者に委ねられるため、採取の標準化が困難なこと、輝度解析による量的評価は、さらなる妥当性検討が必要であることが明らかになったため。
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今後の研究の推進方策 |
IBD疾患管理においては、疾患活動度を簡便に客観的に評価することは重要であるが、同時に患者の主観に基づくアウトカム評価(Patient Reported Outcome Measures: PROMs)も重要である。そのため、PROMs開発およびそれを使用しての評価も本研究の目的として追加した。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大のためにフィールド調査が中断された時期があったこと、および検体採取が被検者に委ねられるため採取の標準化が困難なこと、輝度解析による量的評価は、さらなる妥当性検討が必要であることが明らかになったため、計画変更が余儀なくされた。次年度は、追加した研究目的に対する調査とそのまとめ公表に使用する計画である。
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